家庭内別居の夫婦が急増中!?その実態や特徴とは?

家庭内別居中の夫婦

「家庭内別居」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

3組に1組が離婚している現代ですから、実は家庭内別居は珍しいことではありません。あなたの身にも、いつかは訪れることになるかもしれない、家庭内別居。

ここではそんな家庭内別居について、その実態や特徴を詳しくお伝えします。

家庭内別居とは?

ではまず、家庭内別居とは何か、ということから触れてまいります。

家庭内別居とは、簡単に表現すると、「意図的なすれ違い生活」。つまり、「同じ家で暮らしていながら別の生活をしている」という夫婦の状態のことを指します。

この「同じ家で暮らしていながら」の部分が、単なる「別居」との違いです。『衣・食・住』の3点を完全に切り離す「別居」とは異なり、家庭内別居において切り離しているのは、『衣・食』の2点だけ。一つ屋根の下に住んではいるものの、互いにまったく別の生活をしていることを指しています。

ここで、「『仮面夫婦』と同じ意味合いかな」と感じた方も多いことでしょう。しかし、家庭内別居は、仮面夫婦とは別物です。

仮面夫婦というのは、お互いに愛情が冷めながらも、笑顔の「仮面」をかぶって、表面上ニコヤカにコミュニケーションを取っている夫婦のこと。これに対して家庭内別居をしている夫婦というのは、そもそも会話がありません。会話を含めて、あらゆるコミュニケーションを取らなくて済むように、意図的にすれ違い生活を続けているわけです。

つまり、同じ家に住んではいるものの、生活が別。しかし、一応家族としての形は保っているので、自分から申告しない限り、他人から「あのご夫婦、きっと家庭内別居をしているに違いないわ」なんて指摘されることはまずないでしょう。

もしかしたら、あなたの隣の家に住んでいるあのご夫婦も、実は家庭内別居をしているかもしれません。

家庭内別居が起こる理由

家庭内別居をしている夫婦でも、結婚したときは、別々の生活なんて思ってもいなかったはず。

ではなぜ、家庭内別居は起こるのでしょうか。

家庭により事情は異なるものの、原因はおおまかに2つに分かれるようです。それは、「相手と距離を置きたい」、「自然とその生活になった」の2つです。

相手と距離を置きたい

最も多いパターンは、パートナーと距離を置きたいために、わざと生活スタイルをずらすという方法です。

例えば、過去に相手の浮気が発覚し、それがきっかけで愛情が冷めてしまった。あるいは、一緒にいるとカチンとくる台詞ばかりを言われるために同じ空間にいたくない・・・など、家庭内別居はパートナーへの気持ちが大きく影響します。

これが、ただの彼氏彼女の関係であれば、「別れる!」で関係を一掃できますが、婚姻関係にある手前、そうは簡単にはいきません。

距離を置き、コミュニケーションが少なくなれば、それだけ相手にイラ立つことも少ないはず。パートナーと距離を置いた結果が、「家庭内別居」となるのです。

自然とその生活になった

社会人は、自分の意志で生活サイクルを決められないことが多々あります。

例えば残業が続いたり、子どもの生活に合わせていたら昼夜逆転したり・・・。このように何らかの理由でお互いの生活サイクルがすれ違うと、それが「家庭内別居」へと繋がります。

すれ違う生活をしばらく続けていると、「あれ?ここ数日顔を合わせていないな」と気づくはず。しかし、「・・・まぁいいか」と、その生活を許容してしまうのです。

このケースでの家庭内別居は、いわゆる「亭主元気で留守がいい」を具現化したようなスタイル。「しばらく顔を見ていないけど、家庭は普通に回っているし、特に話したいこともないし、別にいいや」とそれぞれの生活を楽しむのが特徴です。

もし、どちらかがその生活に不満を抱えていると、顔を合わせたときに険悪になりがちですが、双方が「まぁいいか」で納得していると、逆に円満家庭になることが多いようです。

家庭内別居夫婦が離婚をしない理由

同じ屋根の下にいながら、別々の生活をする夫婦。

この不思議な生活スタイルは、第三者から見れば、「結婚した意味がないのでは」「パートナーがいなくて平気なら離婚すればいいのに」などと思われがちです。

しかし、家庭内別居の夫婦は、現実には離婚しないことがほとんどです。なぜ、別々の生活をしながらも、離婚に踏み出さない家庭が多いのでしょうか?

経済的な事情

一番多いのは、経済的な理由です。

一緒に暮らしていれば、必要な生活費は折半できます。しかし住居を別々にしてしまうと、必要なものはその都度自分で揃えなければなりません。特にパートナーの扶養に入っている場合は、離婚前にきちんとした職場を見つけなければならず、またそれに合わせて生活パターンも変えなければならないため、かなりの労力に。またお子さんが小さい場合は、フルタイムで仕事をしたくても、どうしても実現が難しいところがあります。

そのため、パートナーに対して「もう毎日わざわざ顔を合わせる必要はないわ」と思ったとしても、経済的な事情から離婚まで至れないケースが多くあるのです。

子どものため

自分にとっては「いなくても良い存在」だったとしても、子どもにとっては大事な親。そのため、「子どもから親を勝手に奪ってはいけない」と、離婚したい気持ちを抑えることはよくあります。

また、父母両方揃っていないと不利といわれがちな受験、父親参観、母親参観、地域の集まり・・・。現実的にも、まだまだ父母両方が必要な場面も多いことでしょう。

このように、子どもの存在が、家庭を繋ぎ止めていることも多いのです。

家庭内別居のメリット

メリットは、やはり「会話をせずに済む」ということでしょう。夫婦、双方が最低限の「生活」ができており、これといった用事もなければ、望まない限り特に会話の必要はありません。

パートナーが目に見える場所で生活しているから、「私は家事で忙しいのにソファーでごろごろして!」など嫌な面が目に付きますが、その点、物理的な距離を取ることで、相手にイライラせずに済みます。

イライラが積もり積もれば離婚にもなり得ますから、イライラの種は少ないほうが円満家庭を継続しやすい・・・という考え方もあります。

家庭内別居のデメリット

一方で、家庭内別居にはデメリットもいくつか存在します。

共同スペースの管理問題

例えば、共同スペースの管理問題。「リビングの片づけはどちらが行う?」「浴室にカビが発見したけれど、この掃除はどちらが担当?」など、同じ家で生活していれば、小さな問題はつきものです。

しかし、「パートナーが気づいて勝手にやってくれるだろう」と放置していると、いつまで経っても放置されたままで、「なんでやらないの?私がやれってこと!?」と火種になりかねません。

家庭内別居を始めるのなら、細かな約束事、特に掃除関係の分担はあらかじめ決めておきましょう。

新しい恋や再婚ができない

再婚できないという問題も出てきます。相手に気持ちがないからという理由で家庭内別居をはじめた場合でも、結局はまだ夫婦のまま。新しい恋愛はご法度です。

お互いに納得のうえの家庭内別居であっても、別の異性と恋愛関係になれば、それは「不貞」。婚姻関係を解消しない限り、他の異性と深い仲になると慰謝料が請求されかねないので注意しましょう。

パートナーの気配を気にしなければならない

相手への気持ちが冷めたことで始まった家庭内別居では、なるべくパートナーと顔を合わせないように、常に気を遣いながら生活しなければなりません。

例えば、2階建ての家の場合。1階に用事があっても、すぐには下りられません。まずはそっと、階段下の生活音に聞き耳を立てて、「今はリビングに夫がいるみたい。いつになったら自分の部屋に戻るのかしら。これじゃ1階に行けないわ」など、パートナーの気配を気にしながら生活をしなければなりません。

思うように用事を済ませられないことも多くなり、かなりのストレスといえるでしょう。

家庭内別居を理由に離婚はできる?

もし、家庭内別居の状態がしばらくの間続いたら、「婚姻関係の破綻」として離婚できるのでしょうか?

実は、なかなか大変なことではありますが、条件が揃えば4~5年で「婚姻関係の破綻」として認定されます。

住居そのものを別々にする「別居」であれば、家族としての形が失われているので、「破綻」を立証することはそれほど難しくはありません。しかし同居しながらの「コミュニケーションなし」状態は、それを立証するのがなかなか困難なのです。

家庭内別居を理由に離婚するためには、「生活費が別々」「〇年間まともな会話がない」などの事実を積み上げていかなければなりません。もし、離婚を考えるのなら、家庭内別居中の「状態」について、小さなことでもメモしておきましょう。他人から見れば些細なことでも、離婚事由として認定されるかもしれませんよ。

まとめ

家庭内別居の実態や特徴について詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたか。

家庭内別居は、単にすれ違い生活によって始まったものもあれば、「もう顔も見たくないから」と冷めた視点で始まったものもあります。

後者のケースでは、相手の気配を気にしながら生活しなければならず、かなりのストレスが強いられます。しかし直接的なコミュニケーションがないぶん、喧嘩の種が少ないことは間違いありません。

家庭内別居を選択されようと考えている方、もしくは、浮気などがバレたことで家庭内別居状態で困っている方は、これから先、夫婦関係のあり方、方針を決めておいた方があとあと、楽になるでしょう。

子供が大きくなったら離婚をするのか、それとも、家庭内別居が解消されなければ「別居」も考えるのか、夫婦の関係改善をするのか決めておくことをおすすめします。

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