浮気相手を妊娠させてしまったときの対応と5つのリスク
「あなたの子どもを妊娠したの…」そんな衝撃的な言葉を浮気相手から聞かされてパニックになっている人もいるでしょう。彼女や奥さんに言うべきか隠し通せるかどうかと、悩む人もいるかもしれません。
ただ、現実逃避しても浮気相手の妊娠が事実であるのなら、逃げることはできません。妊娠させた責任を何らかの形で取る必要があるでしょう。今回は、浮気相手を妊娠させてしまったときの対応とリスクを紹介します。
浮気相手の妊娠が発覚してすぐにやるべきこと
浮気相手から妊娠を打ち明けられ戸惑ったり、自分の保身を考えたくなったりする気持ちは十分に理解できます。ただ、浮気相手の妊娠が発覚してから取るあなたの行動が重要です。どのような言動を取るかが今後を左右します。
ここでは、妊娠発覚後にすぐにやるべきことを確認しておきましょう。
浮気相手の妊娠の事実確認をする
まずは浮気相手の妊娠が事実であるのかを確認することが大切です。たとえ妊娠検査薬で陽性になったとしても、100%正しいとは言い切れません。
病院で妊娠したという事実を確認しましょう。妊娠初期であってもエコー画像をもらうことができます。浮気相手にエコー画像をもらってくるようお願いしてみるとよいでしょう。
また、自分の子どもであるかどうかを確かめるなら、DNA検査が有効です。妊娠7週目あたりになれば、DNA検査を受けられます。
ただ、浮気相手に対して妊娠を疑うような言動を見せるのは控えましょう。浮気相手も突然の妊娠に動揺しているかもしれません。感情を逆なでして状況が悪化しないよう、十分な気遣いを見せるように対応しましょう。
浮気相手と今後について話し合う
妊娠が事実であった場合、浮気相手と今後について話し合いましょう。妊娠の責任は浮気相手とあなたの両者にあります。とはいえ、子どもを産むか産まないかをあなたが強制することはできません。
あくまでも、出産するか中絶するかを選択できるのは浮気相手の女性だけです。浮気相手の答えによっては、今後どのような選択肢を取ればいいのかが変わってくるでしょう。
浮気相手がどちらを選択したとしても、費用がかかることは明白です。2人が納得できる結論を出すためには、話し合いを重ねましょう。
浮気相手の妊娠が発覚した際の選択肢とは?
浮気相手の妊娠が事実だった場合、あなたにはどのような選択肢があるのでしょうか。出産か中絶かの2択ではなく、選択肢を一つでも多く持つことで様々な事態を想定することが可能です。
妻や彼女に正直に話す
妻や彼女に浮気の事実や浮気相手の妊娠を正直に話すのであれば、どのタイミングにどのように話を切り出すのかが重要です。妻や彼女に正直に話すとなれば、自分が裏切ったことを自ら告白することになります。
自分が情けなく、辛い気持ちもあるかもしれませんが、あなた以上にパートナーのほうが傷つく可能性もあります。
とはいえ、遠回しに話してもパートナーに伝わらないかもしれません。なるべく、オブラートに包みながら、「浮気をしていること」「浮気相手が妊娠したこと」を正直に伝えましょう。
伝えるタイミングは、パートナーの状況を把握した上で決めることが大切です。パートナーが忙しかったり疲れていたり体調が悪かったりするときは避け、2人でじっくり話ができるときに話し合いの場を設けるようにします。
くれぐれも浮気を正当化したり、浮気の原因がパートナーにあると責任をなすりつけたりしないようにしましょう。
妻や彼女に内緒にする
選択肢の一つとして、妻や彼女に内緒にするのも手です。ただ、嘘がバレた場合のリスクが大きいため、あまりおすすめはできません。嘘がバレれば、パートナーをさらに傷つけたり怒らせたりする可能性があります。
浮気相手への口止めも必要になる上、パートナーに怪しまれないように嘘をつき続けなければならないでしょう。嘘がバレやすい人やパートナーを騙すことへの罪悪感に耐えられない人は正直に話すほうが最悪の事態を避けられるかもしれません。
浮気相手が出産してもしなくても、中絶費用や出産費用、養育費がかかります。とくに、パートナーが家計を握っている場合、お金の使い道からバレる可能性もあるでしょう。パートナーに内緒にすると決めたら、ありとあらゆる面のリスク対応が必要です。
妻や彼女と別れて浮気相手と結婚する
子どもの父親として責任を全うする道を選ぶのなら、妻や彼女と別れて浮気相手と結婚する選択もあります。前提として、別れることへの妻や彼女の同意を得ることが大切です。
一方的に結論づけて別れようとしても、後々にトラブルに発展してしまうかもしれません。妻や彼女が別れることに同意しないのであれば、時間をかけて根気強く話し合いを行いましょう。
ただ、妻や彼女との間に18歳未満の子どもがいる場合は、養育費の支払いが必要になる場合があることを理解しておく必要があります。
認知して養育費を支払う
妻や彼女と別れる・別れないにしても、浮気相手との子どもを認知するかどうかの問題が残ります。父親としての義務を果たす・自分のしたことにけじめをつけるという意味では、認知して養育費を支払うことは正しい決断です。
ただ、認知すれば子どもが20歳前後になるまで養育費の支払いが必要です。養育費は一律ではなく、子どもの年齢が高くなるにつれて養育費が増えることもあります。養育費は収入の金額によっても異なり、収入が高い人ほど養育費が高くなるのです。
浮気相手に中絶を選ばせて関係を切る
浮気相手に中絶を選ばせた上で、関係を完全に切るという選択肢もあります。出産するか中絶するかを決めるのは妊娠した女性に与えられた権利です。ほかの誰にも出産や中絶を強制することはできません。
とくに、話し合いで中絶を選択するのなら、一方的に命令するような言い方はしないようにしましょう。また、一緒になる気持ちをこれっぽっちも持っていないのに、浮気相手に気を持たせるような言動に気をつけましょう。
あくまでも「出産しても一緒になることはできない」既婚者なら「妻とは別れない」という姿勢を貫くようにしましょう。浮気相手との関係を断ち切る際は、一方的に別れると伝えず、浮気相手と話し合いを重ねて納得してもらってから別れることをおすすめします。
妊娠発覚後のリスクに備えて知っておきたいこと
浮気相手の妊娠発覚から解決の糸口が見つかり、ホッとしている人もいるかもしれません。しかし、問題はすべて解決したと思うのはまだ早いといえるでしょう。
ここでは、後々のリスクに備えて知っておくべきことを紹介します。リスクへの万全な対策を練っておきましょう。
浮気相手に結婚を迫られる
浮気相手から「妊娠させた責任を取って欲しい」と結婚を迫られる可能性も考えられます。中絶すると決めても、浮気相手が手術を受けるのを躊躇したため、中絶を受けられない時期に入ってしまったという場合もあるでしょう。
出産するほかない状況に追い込まれ、1人で育てていくのは不安だと、結婚して欲しいと言われるかもしれません。また、はじめから「1人で産んで育てる」と言っていたとしても、シングルマザーとしてやっていくことは困難だと、考え直す人もいるでしょう。
浮気相手はあなたに結婚を強要することはできませんが、場合によっては浮気の事実を広められたり、嫌がらせを受けたりする可能性も考えられます。そういった場合は、なるべく穏便に解決させるためにも、弁護士に間に入ってもらうとよいでしょう。
中絶後に慰謝料を請求される
中絶後、浮気相手から慰謝料を請求されるケースも少なくありません。中絶は女性にとって、心身に傷がつくことになります。頭では出産を選択できないことを理解していても、ショックは大きいものでしょう。
浮気による妊娠の責任は両者にあるものの、結果的に大きな負担を強いられるのは女性のほうが大きいといえます。場合によっては、怒りの矛先があなたに向かうこともあるでしょう。
過去の判例では、中絶による精神的な苦痛への慰謝料の請求が認められており、浮気相手が慰謝料請求すれば、支払いを命じられる可能性があります。慰謝料の請求は相手次第のため、なるべく誠実な対応を心がけましょう。
中絶を強制すれば、訴えられる可能性も
浮気相手に脅迫や暴行などを行った上で中絶を強制した場合、強要罪で訴えられる可能性があります。ただ単に「中絶してほしい」とあなたの気持ちを伝えただけでは、訴えられる可能性は低いでしょう。
あなたの言動が浮気相手を傷つけた場合、慰謝料を請求される可能性はあるため、相手を逆なでするような言動は避けましょう。
念のため、弁護士や行政書士立ち合いのもとで、誓約書や示談書などを作成しておくと、後々のトラブルを避ける手助けとなるでしょう。
養育費を後から請求される
「認知もしなくてもいいし、養育費もいらない」という浮気相手の言葉を鵜呑みにするのは危険です。認知すれば、養育費を支払う義務も生まれやすいですが、認知しない場合は養育費を巡って裁判にまで発展するケースもあります。
こうした争いを避けるためには、事前に浮気相手との示談書や誓約書などを交わしておくとよいでしょう。
男性側には認知しないという選択肢もありますが、認知しないことによる弊害はお金の問題だけではありません。悪い噂を流されたり、浮気した事実を会社や取引先にまで広められたりする恐れもあります。そういう面においても書面を交わしておくと、相手への抑止になります。
妻から慰謝料の請求や離婚を切り出される
妻帯者の場合、浮気や浮気相手の妊娠が発覚し、妻から慰謝料を請求されたり、離婚を切り出されたりすることがあります。慰謝料の名目は、浮気によって受けた精神的苦痛になります。
慰謝料は離婚するしないにかかわらず、妻に請求する権利があります。また、浮気相手の妊娠は浮気の事実を認める証拠になるため、あなたが離婚を受け入れなくても、離婚調停になれば不貞行為の証拠となり、離婚は避けられないでしょう。
離婚を決めたら考えるべきこと3つ
離婚を決めたらそれで終わりというわけではありません。離婚によって、様々な金銭面などの解決が必要です。ここでは、具体的にどのようなことを考えるべきなのかについて紹介します。
子どもの親権や養育費
18歳未満の子どもがいる場合、子どもの親権や養育費の支払いについて夫婦で話し合いましょう。妻が子どもの親権をもつのなら、あなたは子どもが20歳前後に成長するまでの養育費を支払う義務が生じます。
養育費の金額は夫婦の収入や子どもの人数、年齢などによって異なります。このとき「強制執行認諾付きの公正証書」を作成した上で養育費の支払いを拒否すれば、強制的にあなたの財産が差し押さえられ養育費の支払いに応じなければなりません。
後々トラブルにならないよう、離婚の際にしっかり話し合いをしておきましょう。
財産分与
離婚する際、夫婦の財産を分ける「財産分与」が必要です。対象となる財産は結婚期間中に築いた財産で、貢献度に応じて平等に分けます。
財産分与できるものは、預貯金はもちろんのこと、家やマンション、土地などの不動産や自動車、株やFX(外貨投資)などによる利益や損失も含まれます。ほかにも、生命保険や損害保険などの保険料や退職金、年金、住宅ローン、へそくりなども夫婦の共有財産とみなされます。
財産分与においては離婚原因で割合が変わることはありません。ただ、妻が専業主婦で離婚後の生活の安定が難しい場合、妻の割合を多くすることも可能です。
妻からの慰謝料請求・離婚を受け入れる
夫の浮気に対し、妻は夫や浮気相手に慰謝料を請求できます。慰謝料の支払いや離婚を拒否すれば、裁判にまで発展する可能性もあるため、なるべく2人で話し合って協議離婚するほうがお互いにこれ以上傷つくことを避けられるでしょう。
慰謝料についても、揉めることになれば、今後の人生にまで影響が出るかもしれません。
自分が引き起こしてしまった現実としっかり向き合い、妻からの慰謝料請求に関しても可能な限り譲歩し、受け入れる覚悟が必要でしょう。