LINEいじめを体験!我が子を被害者・加害者にしないための対策

女子中学生の下校

ネットいじめのニュースを目にする機会が増えています。なかでも、LINEを使ったいじめが多発しており、被害者が自ら命を絶つという最悪の結末を迎えたケースもあります。

こういったニュースを見て、一番不安を感じているは、携帯を子供に渡している保護者ではないでしょうか。LINEいじめを受けていないか、はたまた、加害者側になっていないかと。

この記事では、LINEいじめの実態に迫ります。そして、被害者にも加害者にもならないような対策をご紹介します。

LINEいじめとは?

ローファーを履いた女子高生

「LINEいじめ」とは、スマホアプリのLINE上で行われるいじめを指します。

LINEのグループ機能を活用することで、複数人対一人という対立関係がいとも簡単に作れ、その一人を標的にして、LINE上でいじめが行われます。

では、LINEいじめに関する相談件数やいじめの種類・原因について確認しておきましょう。

LINEいじめに関する相談件数は増加傾向にある

平成30年度の総務省の調査によると、ソーシャルメディアの利用率は10代のトップを占めるのがYouTube(91.5%)です。次いでLINEの利用率(88.7%)が高いことが報告されています。

平成24年度の利用率(38.8%)と比べ2倍以上増えていることから、子どもにとってLINEがいかに身近なものになっているかがわかります。

■出典:総務省 | 平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

当然、それだけ身近になったLINEですので、日常的なやり取りが当たり前のようにLINEで行われるようになり、LINE上でのトラブルが原因でいじめに発展することが増えているようです。

LINEいじめの種類4つ

LINEいじめには大きく分けて4つの種類があります。

1つ目は「無視」で、LINE上のグループ内で特定の子からのメッセージだけを無視してしまういじめです。自分だけ無視されるため、疎外感を強く覚える子どもが多いでしょう。

2つ目は「集団いじめ」で、グループ内のメンバー全員で特定の子にネガティブなメッセージを送るいじめを指します。いじめは時間や場所を選びません。誹謗中傷するメッセージは一斉に送られるため、嫌でも本人の目に入ってしまいます。

3つ目は「仲間外れ」で、一方的にグループから外されたり、一人だけグループに招待されなかったりするタイプのいじめです。自分を除くグループ内で悪口が飛び交っているため、本人の知らないところでいじめグループが形成されてしまいます。

4つ目は「動画や画像の拡散」によるいじめです。特定の子が嫌がる画像やいじめを撮影した動画を共有し、本人の承諾もなく暴露してしまいます。LINEいじめはアプリ内で起こるため、保護者や学校がいじめを認識するのは非常に難しいことなのです。

LINEいじめに発展しやすい原因

LINEいじめに発展しやすい原因は、思いのほか単純なことがきっかけになっていることがほとんどのようです。たとえば、既読が付いても返信しない、いつまで経っても未読のままで既読にならない、誤変換や言葉の選び方による誤解などがあげられます。

子ども同士のLINEいじめは、保護者が思う以上に簡単なきっかけからいじめに発展しているのです。いじめられている本人も、なぜいじめられているのかが分からない場合も多いです。理由が分からないほど、ささいなきっかけがいじめに発展するところに、LINEいじめの落とし穴が潜んでいるのです。

では、実際にLINEいじめがどのようなものなのか、実例を次にご紹介します。

LINEいじめからリアルないじめに発展した実例

LINEいじめは言葉による暴力によっていじめが行われています。しかし、時にはLINE上でのいじめがリアルないじめに発展してしまうこともあるようです。

ここではLINEいじめからリアルないじめに発展した実例をご紹介します。

実例1.LINE仲間間での交際トラブルから暴行事件に発展

2016年、東京都で14~19歳の少女3人が女子高校生への暴行が理由で逮捕された事件がありました。被害者と加害者はLINE仲間で、男性との交際を巡ったトラブルを引き金に、集団で1人を暴行する事件に発展してしまったようです。

被害者の女子高校生はLINE仲間の少女たちに公園に呼び出され、30分以上にわたる暴行を受けました。さらに暴行時に撮影された動画がLINE上で投稿されてしまったのです。

最近では、このようなLINEでやり取りしている一方が加害者で、もう一方が被害者となる事件が多発しています。

実例2.LINEいじめが被害者を自殺未遂へと追い詰める

2014年、千葉県で中学1年の女子生徒がいじめをきっかけに、2度自殺未遂を図る事件が起きました。加害者は同じ部活の部員で日常的に悪口を言われていたことが分かっています。被害者の自殺未遂をきっかけにいじめが発覚しましたが、その後もLINE上でのいじめが続いていたのです。

学校や教育委員会はいじめとは認めなかったため、被害者の女子生徒は2度目の自殺未遂を図るまでに精神的に追い詰められてしまいました。LINE上では「地獄行き」や「突き落とす」といった書き込みが日常的にやり取りされていたようです。

LINEいじめの怖さは大人の目が行き届かないところでひっそりと行われていることでしょう。スマホを持っている限り、LINEいじめから逃れられないために被害者は精神的に追い詰められてしまうのです。

実例3.クラスメイトの3/4がいじめに加担

最後にご紹介する実例は、被害者の女子生徒の両親が積極的にLINEいじめの原因を追究したことで、いじめの事実が明らかになったケースです。

被害者は1人の女子中学生で、クラスの3/4のクラスメイトからいじめられていました。きっかけは自校に乗り込んできた他校の不良生徒を説得して帰らせたことです。彼女のしたことは正しい行為として受け取られるはずでした。

しかし、実際はその行為がきっかけとなってLINEいじめを受けることになってしまったのです。いじめの黒幕は被害者の親友の女子グループでした。保護者会が開かれるも、最後までしらを切る子もいたようです。

学校はいじめの調査に消極的で、被害者の両親の働きかけがなければLINEいじめの事実が公にされることはなかったでしょう。いじめ発覚後に周りにいる大人がどう対処するかで、尊い命を救うことができるかもしれません。LINEいじめにも立ち向かうことができる一つの貴重な実例と言えるでしょう。

LINEいじめをリアル体験できるサイト・アプリを紹介

LINEいじめが実際どのような怖さがあるのか、自分で体感してみないと分からないという人もいることでしょう。そこでLINEいじめをリアル体験できるサイトとアプリをご紹介します。

自分がいじめ被害者になったつもりで、体験してみてください。また子どもにLINEいじめの怖さや残酷さを伝えるツールとして活用するのも一つの方法でしょう。

LINEいじめ体験サイト「チャットログ」

最初に紹介するのはLINEいじめ体験サイトの「チャットログ」です。チャットログはシステムエンジニアの方が開設したサイトで、以下のURLをクリックするとLINEでの架空のやり取りを無料で見ることができます。

チャットログ

LINEいじめの被害者、または加害者の立場からLINEいじめを体感できます。いじめ被害者が自殺を仄めかす内容のあとに、閲覧者を驚かせる仕掛けがあるため、心臓が弱い方は十分お気を付けください。

ネットいじめ体験アプリ「スマホにひそむ危険 類似体験アプリ」

「スマホにひそむ危険 類似体験アプリ」はLINEいじめを含むネットいじめを類似体験できる無料アプリです。被害事例は出会い系被害や個人情報漏えい、高額請求、ネットいじめの合計8シナリオが収録されています。大学生と高校生によって作られたシナリオ3つも体験できます。

単に被害事例を体験できるだけでなく、子どもに被害が及ばないように保護者が取るべき対策を知ることができ、実践しやすい点もおすすめポイントです。またスマホやSNSに詳しくない保護者の方でも理解しやすいように設計されています。学校や警察などの啓発活動でも広く活用されているため、安心して利用することができるでしょう。

以下のURLからアプリをダウンロード可能です。

■デジタルアーツ株式会社:「スマホにひそむ危険 類似体験アプリ」

我が子がLINEいじめに巻き込まれないための対策5つ

電車のホームでLINEをする女子高生

我が子がLINEいじめに巻き込まれないようにするには、保護者が対策を取る必要があります。具体的な対策を5つ紹介します。できることからはじめてみてください。

LINE返信時のマナーを子どもに教える

LINEでの返信の仕方によって、LINEいじめを自ら引き起こしてしまう場合があります。たとえば、友達からのメッセージを未読・既読スルーしたり、的外れなメッセージやスタンプを返信したりするなどです。

仲の良いグループであっても、返信する言葉やスタンプの使い方でLINEいじめに発展する可能性がある事実を子どもに伝えてください。返信時の最低限のマナーを教えてあげることも大切です。

同時に子どもがLINEいじめの加害者にならないよう、友達からの返信におかしな部分があっても、それを理由にいじめることは、相手の命を間接的に奪う原因になるかもしれないことを理解できるように説明すると良いでしょう。

家庭内でLINEいじめのニュースを話題にする

子どもがLINEいじめに関わってしまった場合、いかに早く、保護者がその事実に気付いてあげるかが大切です。とはいえ、子どもがLINEいじめで悩んでいたとしても、普段の生活の中で気づいてあげるのは難しいのも事実です。

そこで、一つの対策として提案するのが、日頃からLINEいじめに関するニュースを話題にすることです。LINEいじめの怖さを教えることもできますし、会話から子どもの反応を読み取るきっかけになります。

反応を感じ、間接的に悩みなどを聞いてあげてください。被害者であった場合、直球で質問しても、応えないことがほとんどですので、学校でのたわいもない話題から聞いてあげてください。

LINEやスマホのサービスを活用する

上述したように、LINEいじめの被害者になった子どもの中には、自ら命を絶つほど精神的に追い込まれてしまうケースがあります。未然に防ぐためには、いかに早くLINEいじめを発見するかが重要です。

対策として、子どものスマホを監視するスマホのサービスを活用することを検討してみてはいかがでしょうか。監視することは子どもを守る対策になりますが、一方で必要以上の詮索は子どものプライバシーを侵害してしまう可能性があることも理解しておきましょう。

LINEいじめの監視におすすめのアプリを一つご紹介しておきます。

Filii -世界とつながる時代のこどもセキュリティ

LINEを使う際のルールを決めておく

子どもにLINEを使わせなければ、LINEいじめに巻き込まれる心配はないでしょう。しかし、LINEは無料で使用できるため、中高生の間でも必須のアプリと言えます。子どもがLINEを使うことは避けられません。

子どもにLINEを使わせる場合は、ルールを決めておくことをおすすめします。たとえば、定期的にLINEの内容を親がチェックしたり、LINEを使用するときは親がいる前で使用させたりするのも方法の一つです。

また、携帯を家で触れるのはリビングだけにして、自分の部屋に行く際は、リビングに必ず置いておかなければならないようにするなど、子供を孤立させたところで、なるべくLINEをさせないようにすることもひとつです。

親子間のコミュニケーションを密にする

いじめは子どもにとって自尊心を傷つけるナイーブな問題です。繊細な問題なだけに、自分から親に打ち明けられない子どもも多いです。

ただ、普段から親子で密なコミュニケーションが取れていれば、子どもが親に相談しやすいでしょう。だからこそ親子間のコミュニケーションを密にすることが重要になってくるのです。相談しやすい環境があることは、子どもにとって重要な選択肢を得ることになります。

日頃から親子間で密なコミュニケーションを取ることを心がければ、子どもから相談してくることがなくても、小さな異変に気付くことができるでしょう。

対策を立てて我が子をLINEいじめから守ろう

LINEいじめは学校や保護者の目が届きにくい閉ざされた空間の中で行われます。子どもが被害に遭ってから対応しようとしても、心に深い傷を負ってしまっている場合が多いでしょう。

我が子がLINEいじめに巻き込まれないようにするためにも、上記で紹介した5つの対策を参考にして、できるものから取り組んでみてはいかがでしょうか。

いじめ対策と調査の料金・費用相場

1日あたりの相場 費用総額の相場
いじめ対策と調査 11万円 69万円

※実際に探偵ちゃんで紹介した探偵事務所に依頼した人の事例を元に算出しています。