子供がいじめ加害者に!いじめる心理といじめたことを後悔する心理!償い方と親がとるべき対応と注意点

いじめたことをを後悔している女性

いじめによって苦しむのはいじめを受けた子供です。大人になっても、いじめの体験や記憶がつきまとい続けるケースも少なくありません。一方で、いじめの加害者はどうかというと、いじめをしたことすら忘れている人もいます。ただ、中にはいじめたことを後悔し、罪の意識から苦しみ続けている人が存在することも事実です。

本記事では、子供がいじめ加害者になったときの子供の心理、いじめたことを後悔する人の心理や心の整理の仕方、償い方についてご紹介します。

子供がいじめ加害者になった子供の親と過去にいじめたことを後悔している方に読んでいただきたい記事です。

子供がいじめの加害者になる心理と特徴

わが子がいじめ加害者だと知って、親は「自分の教育の仕方が悪かったのだろうか」と自責したり、子供を怒鳴り散らしたりしてしまいがちです。しかし、自分や子供を責めたところで問題を解決することはできません。

大切なことは、わが子とどう向き合うのかを考え、実行に移すことです。まずは、いじめ加害者がどのような心理になり、どのような特徴があるのかについて理解を深めましょう。

子供のいじめ加害者の心理

いじめ加害者の心理には、被害者とはまったく異なる様々なものがあります。たとえば、以下のようなものが挙げられます。

  • 遊びの延長で笑いのネタになる
  • いじめだと思っていない
  • 閉塞感を感じ、怒りを他人にぶつける
  • 多感な思春期に沸き起こる感情をコントロールできない
  • 自分の強さを誇示し、優越感に浸る
  • 自分の言動を正当化する

このように、いじめを遊び感覚で感じ、本気でいじめだと思っていない子供も少なくありません。また、いじめ加害者自身も心に傷や悩みを抱えていて、はけ口の1つとしていじめ行為を自分なりに正当化して行い続けてしまうのです。

子供のいじめ加害者の特徴

いじめ加害者に見られる特徴として、以下が挙げられます。

  • 親子のコミュニケーションが少ない
  • プライドが高い
  • 嫉妬心が強い
  • 自己肯定感が低い
  • 承認欲求が強い
  • 自分よりも幸せな他人が許せない

このように、いじめ加害者は自分を誇示する特徴があるものの、内心では弱く傷つきやすい特徴があります。親子間のコミュニケーション不足が要因の1つです。

傍観者の存在がいじめに発展する

いじめは加害者と被害者の2者間での問題だと思われがちですが、傍観者の存在がいじめの問題を大きくしているケースが少なくありません。傍観者の特徴として、以下が挙げられます。

  • 直接的ないじめには関与しない
  • 被害者を避ける
  • 事実を確かめず、被害者の悪い噂を信じる

また、自分がいじめのターゲットにされないための自己防衛手段として、良くないことだと分かっていても流れに身を任せてしまうのです。

こうした傍観者の言動が加害者に影響を与え、加害者は自分の正当性や強さを誇示し、いじめをエスカレートさせてしまいます。

子供がいじめの加害者になっていたときに親がとるべき対応

現状を冷静に把握する

いじめが発覚し、「うちの子に限って」「何かの間違いではないのか」とわが子を守ろうとする親の本能が働いてしまうかもしれません。しかし、まずは現状を冷静に把握することが大切です。

子供を守るのは、現状を把握してからでも遅くありません。子供には、いつ・どこで・誰と・誰に・何をしたのかを感情的にならずに聞き出します。話の途中で、子供を否定・同意するような言動は控えましょう。なるべく感情を抑え、事実を確かめる必要があります。

わが子と向き合う

いじめについて、わが子と向き合う時間を持ちましょう。わが子がいじめに至った理由やなぜ、いじめがいけないのか、じっくり親子で向き合うことが大切です。混乱して何を話していいのか分からない場合は、以下を参考に親子で話し合ってみましょう。

  • なぜ、いじめをしてしまったのか?
  • なぜ、いじめはいけないのか?
  • 被害者の子はどんな気持ちでいただろうか?
  • 被害者の子に何を謝るのか?
  • いじめに対してどう向き合うべきなのか?

この際、親が上から目線で「こうしなさい」「こんなことしてはいけない」と一方的に言わないように気をつける必要があります。子供と同じ目線に合わせて話し合うようにしましょう。

また、いじめがなぜいけないことなのかを理解するためには、自分で悩んで考えて答えを出すしかありません。誰かが用意した答えを教えても、表面的に理解したにすぎません。

子供が自分の言葉で答えを出すまで、時間がかかったとしても根気強く待ってあげましょう。子供が自分の言葉で答えを出すことができたら、やさしく褒めてあげます。

保護者が子供の手本となる行動で示す

被害者の子供や保護者への謝罪は、子供と一緒に行いましょう。なぜなら、わが子の手本として行動で示す必要があるからです。

「子供同士の揉め事だからと親は関与する必要がない」という考えをもつ人も少なからずいるようですが、被害者の子供や保護者に対し、反省と謝罪の気持ちを伝えることは保護者としての責任といっても過言ではありません。

たとえ、被害者側が謝罪を受け入れてくれなくても、態度と行動で反省と謝罪の気持ちを示すようにしましょう。そんな親の真摯な態度を見て、子供は自分がやってしまったことの重大性をあらためて理解することになるのです。

子供との関わり方を見直す

子供は親の態度や行動、言葉をよく観察していて、毎日そばで見ている中で自然と刷り込まれていき、同じ態度や行動、言葉をマネするようになります。

いじめの加害者となったわが子が他の子供を傷つけてしまったという事実は、少なからず親自身の言動にも原因があったと考えてもおかしくありません。

今一度、ご自身の日常での言動やこれまでを振り返ってみてください。ご自身だけでなく、親戚の集まりや大人が集まる場での言動も子供がマネする原因になりかねません。

  • 飲食店での店員への伝え方
  • TVやスポーツ観戦時の言動
  • 子供の前で大人が暴言や暴力を許す行為

もしも、当てはまることがあるのなら、たった今この瞬間から見直しましょう。大人が子供の前で他人に失礼な態度をとったら注意し、相手に謝罪します。「他人を傷つけるようなことを故意にしてはいけない」「悪いことをしたら謝る」ことの大切さを子供に示すことが大切です。

いじめ加害者の親が対応に当たる際の注意点

ここでは、いじめ加害者の親として対応する際の注意点をご紹介します。

わが子のいじめを受け入れ、否定しない

わが子がいじめの加害者であることを受け入れるのは非常に辛いことです。否定したくなる気持ちも湧き起こることでしょう。だからといって、わが子を感情的に叱らないようにしましょう。

また、いじめの事実を受け入れたくないがために、都合のいい方に子供を誘導尋問することだけはしないようにしましょう。なぜなら、子供の将来のためにならないからです。

もしも、都合のいいように親が解釈してしまえば、子供はこれからもずっと事実を歪めて生きていかなければならなくなります。おそらく、大人になってもずっと苦しめられることでしょう。だからこそ、親がしっかりといじめを受け入れ、子供を否定しないことが大切です。

学校とうまく連携をとって対応する

就学児の場合、いじめは加害者と被害者の2者間だけの問題ではありません。必ず学校を通して被害者の親とのやり取りが必須になります。この際、注意したいことは学校に任せきりにしないことと学校とうまく連携をとって対応することです。

学校で起こったいじめの場合、担任や学校側では他のクラスメートや生徒にアンケートをとったり、聞き取り調査をしたりして、第三者からの新たな情報が発覚することも少なくありません。

当事者以外の情報も把握することでより客観的な事実を理解し、適格な対応につなげられます。また、当事者間での問題の深刻化を防ぐためにも、被害者の親と直接やり取りせず、学校を通すことをおすすめします。

いじめ被害者に謝罪をしてもいじめの事実は変わらない

いじめられて泣いている男の子

いじめ加害者が被害者に謝罪をしたいという思いをもつことは大切なことです。しかし、いじめ被害者に謝罪をすればすべてが解決するという考えをもっているのなら、考え直す必要があるでしょう。

被害者からすれば、過去のいじめを謝罪されたところで、いじめを受けた事実は変わりません。いじめで受けた心の傷やつらい思いをした時間や記憶が消えてなくなることはないからです。

世間ではいじめという言葉で一括りされていますが、いじめの種類もさまざまです。時間が癒してくれる場合もあれば、どんなに時間が経っても心に深い傷を負ったままの人もいます。いじめ加害者が過去のいじめを謝罪したいと思っても、被害者によっては受け入れがたいことなのです。そのため、いじめ加害者が被害者に謝罪をしたいと考えるときは、被害者をさらに深く傷つけるリスクがあることを知っておかなければならないでしょう。

いじめを後悔することになったきっかけ

いじめの加害者がいじめを後悔することがあります。いじめを後悔するきっかけにはどのようなことがあったのか、自身を振り返り、頭を整理する機会にしてください。

自分自身がいじめ被害者になった

いじめ加害者がいじめを後悔することになったきっかけとして、自分自身がいじめ被害者になったことがあげられます。自分がいじめを受けたことで、いじめを受けるつらさや苦しさを理解することができたからでしょう。いじめ加害者にとっては、ただの冗談や遊びの延長の言動かもしれません。しかし、いじめ被害者からすれば、心を深く傷つけられたことに他ならないのです。

いじめ被害者の気持ちは、いじめを受けたことがある人にしか理解することはできません。いじめ被害者になったことでいじめをしていた愚かさを実感したからこそ、いじめを後悔することになったのではないでしょうか。

親になりいじめへの教育について考えた

親になって子供を守る立場になり、いじめへの教育について真剣に考えるようになったことが、いじめを後悔するきっかけとしてあげられます。「絶対にいじめをしてはいけないよ」「友達がいじめられていたら助けてあげようね」と、子供へのいじめ教育をすると同時に、過去の自分の過ちを思い出すことがあります。

自分の子供にはいじめをしてはいけないと言いながらも、自らがいじめをしていたという事実を突きつけられるのです。今の言動と過去の行動が一致していないことに、もどかしさを感じているからこそ、いじめをしたことを後悔するのでしょう。

いじめによる自殺のニュースを目にするようになって

いじめによる自殺のニュースを目にするたびに、過去に自分がしたいじめを後悔する人もいるようです。近年、いじめを苦にした子供が自殺をしたというニュースを目にする機会が増えており、同じ年頃の子供をもつ親はもちろん、いじめにかかわる記憶をもった人の心も揺さぶっていることでしょう。

とくに、過去にいじめをした経験がある人にとっては、自分がいじめた被害者がその後どのような人生を送っているのかが気になるものです。もしも、いじめ被害者が自殺をしていたらと想像するだけで、自分が愚かなことをしたという後悔の気持ちで胸がいっぱいになっていることでしょう。

このように、いじめを後悔するきっかけは、いじめの当事者から一歩引いた立場になり、いじめについて真剣に考えることになったときに多いことが分かります。

いじめを後悔する人の心理

いじめ加害者の人がいじめを後悔している人は、被害者に謝罪したい気持ちがある人が多いのではないでしょうか。

いじめを後悔している人がどんな心理なのか、3つご紹介するので、ご自身に当てはまっているか確認しながらご覧ください。

いじめ被害者を傷つけてしまった罪悪感

いじめを後悔する気持ちは「いじめ被害者を傷つけてしまった罪悪感」からきていませんか?いじめを後悔する人の多くが当てはまる心理といえるでしょう。

いじめ被害者を傷つけたことを反省し、謝罪の気持ちを伝えたいと考える人も少なくありません。自分の言動で相手を傷つけてしまったことに罪悪感で胸がいっぱいになったため、いじめを後悔してしまうのです。

いじめをした自分への哀れみ

いじめを後悔する気持ちの裏には「いじめをしてしまった過去の自分への哀れみ」が隠されていることもあります。胸を張って生きてきたけれど、突然、いじめをしたという過去の自分の汚点と向き合うことになり、いじめをした自分やいじめの記憶を疎ましく思い、いじめをした自分を哀れんでいるのです。

「なぜいじめは起きたのか」「なぜ自分がいじめの当事者にならなければいけなかったのか」と、自分がいじめをするに至った経緯に対して後悔する気持ちが強いといえるでしょう。

いじめをした罪の意識から解放されたい

いじめを後悔する人の心理として最たるものが「いじめをした罪の意識から解放されたい」という心理です。いじめ被害者への申し訳ない気持ちは表面的なものであり、本音はいじめ加害者である烙印を葬り、後悔する気持ちから解放されたいのです。

過去のこととはいえ、いじめをしたという事実は消えることはありません。せめて被害者に「許す」と言ってもらえたら、気持ちが晴れるかもしれないという考えに至ってしまいます。そのため、いじめから十数年経っても、一方的な気持ちだけで被害者に謝罪したいという人が多いのです。

いじめを後悔した人におすすめしたい心の整理の仕方

いじめをしたことを後悔すると、いじめをした罪悪感を背負い続けることになります。被害者に謝罪して許してもらえれば、自分なりにけじめをつけられるかもしれません。しかし、被害者への謝罪が難しい場合、自分で心の整理をつける必要があります。ここでは、いじめを後悔した人に試してほしい心の整理の仕方について紹介します。

過去に自分がしたいじめについて検証してみる

いじめを後悔した人が心の整理をつけるには、まず過去に自分がした「いじめ」について検証することが大切です。漠然といじめをしたことを反省しているだけでは何の解決にもなりません。心の整理をして前に進むためには、自分がなぜいじめをしてしまったのか、どのように被害者をいじめていたのかなどを振り返り、過去の自分と向き合いましょう。

自分はいじめを楽しんでやっていたのだと思い込んでいるだけで、実際は家庭でのトラブルや友人関係がこじれたなどの原因があったのかもしれません。だとすれば、いじめをしてしまった事実は事実として受け止め、当時の自分も苦しんでいたのだと考えることができます。

人の記憶は非常にあいまいなもので、ときには事実を歪めてしまう場合があります。いじめは決して許される行為ではありませんが、いじめに至った原因や当時の自分の感情や心理を検証することで、今感じている苦しさを和らげることができます。

いじめたことで自分自身も傷ついたことを認める

過去の自分と向き合うことができたら、いじめによって自分自身も傷ついていることを認めましょう。「いじめ加害者が自分のしたことで心に傷を負うのはおかしい」と否定する気持ちになる人もいるかもしれません。しかし、今、あなたは過去にいじめをしたことを後悔し、つらく苦しい気持ちで日々を過ごしていることは紛れもない事実です。

過去の自分がした行為とはいえ、あなた自身も心に傷を負っていることは間違いありません。「いじめをした加害者だから…」と否定せず、自分もいじめによって心が傷ついていることを認めてあげてください。

自分で自分を許してあげる

いじめによって自分も傷ついたという事実を受け入れることができたら、次は自分で自分を許してあげてください。なぜ自分で自分を許すのか疑問に思う人もいるでしょう。その理由は、いじめ被害者をはじめ、誰もあなたを許してくれる人はいないからです。

いじめをした事実や記憶を消せない以上、あなたは過去とずっと向き合って生きていかなければなりません。これからもずっと、あなたはいじめをした当時のことを思い出すたびに心が締め付けられることでしょう。そんなつらい思いをし続けても、誰もあなたの過去を許してはくれません。

だからこそ、自分で自分を許してあげる必要があります。そのためにはいじめをした事実や過去の自分ととことん向き合い、受け入れることが大切なのです。自分を自分で許してあげられる心の準備ができたら、自分に「もうたくさん苦しんだのだから、許してあげよう」と声をかけてあげましょう。

いじめを後悔した人が今できる償い

「いじめを後悔した自分にどんな償い方があるのだろう?」「どんなことでもいいから何か償いたい」という人もいらっしゃるでしょう。いじめを後悔した人が今できる償いについて紹介します。

自分の子供がいじめで悩むことがないようサポートする

あなたに子供がいる、もしくは今後子供ができたとき、子供がいじめで悩むことがないようにサポートしてあげましょう。自分の子供がいじめの加害者にならないことも償いの一つといえます。

また、自分の子供がいじめの被害者や傍観者にならないために、いじめに関する教育をすることも大切です。あなたの過去の経験を子供に話してみるのもいいかもしれません。ただ、自分の親がいじめの加害者だったという事実は子供にとっては衝撃的なことです。過去の経験を話すときは、子供の年齢や話すタイミングに注意しましょう。

いじめで悩む人を助ける

子供がいない人やすでに子供が親の手を離れている年齢なら、身近な人でいじめに悩んでいる人を助けてあげましょう。学校や職場、ご近所付き合い、ママ友付き合いなど、人が集まる場所には必ずといっていいほど、いじめの問題が潜んでいるものです。

こちらから詮索する必要はありませんが、悩んでいる人がいたのなら「いつでも話を聞くよ」と一言伝えてあげましょう。悩んだときに話を聞いてくれる人や安心できる安全地帯があるかないかで、その人の人生が大きく変わることがあります。大切なのは悩んだときに「自分は一人じゃない」と思い出してもらうことなのです。

また、いじめに悩んでいる人が被害者とは限りません。あなたのようにいじめ加害者や、いじめを見てみぬふりをすることに悩んでいる人もいるでしょう。そんな人たちを助けられる人を目指してみてはいかがでしょうか。

たとえ、いじめ被害者に直接償えなかったとしても、今のあなただからこそ、できることがあるはずです。過去は過去のこととして受け止め、今はこれからのことを考えて一歩ずつ前に進んでいきましょう。

いじめ対策と調査の料金・費用相場

1日あたりの相場 費用総額の相場
いじめ対策と調査 11万円 69万円

※実際に探偵ちゃんで紹介した探偵事務所に依頼した人の事例を元に算出しています。