いじめに遭いやすい子供の特徴といじめの判断基準

犬と悲しい子供

子供は自分で生活をする場所を選ぶことは出来ません。

親が決めた場所、与えられた環境の中で生きていくしかありません。そんな、自らの意志では変えられない、選べない環境の中で、いじめに遭ってしまったらどうしたらいいのでしょうか。

子供は、大人とは時間の流れが違います。大人の私達が感じるよりもずっと長い一日を、いじめに耐えながら過ごすのはどれだけ苦しいでしょう。

私達は親として、子供からのSOSにどう対応していったらいいのか、二度とない子供時代を我が子が笑顔で過ごせるように、何ができるのか考えてみませんか。

いじめの原因

子供は他者の痛みに鈍感ですので、残酷です。いじめた相手の反応が面白いと思えば、軽い“からかい”からエスカレートしていくこともありますし、いじめをしている子が家庭や学校で大きなストレスを受けていて、自分よりも弱い者へのいじめという形で発散させているケースもあります。

学校という場所は、多種多様な子供が長い時間同じ場所で過ごし、下校時間が来るまではそこから出ることは出来ません。常に親が隣で諭し、導いていた幼い頃と違い、子供は子供の価値観の中で「楽しい事」や「ストレスの発散方法」、また「自分を守る方法」を見つけようとします。

その時、ちょっとしたきっかけから「他者をいじめることは楽しい、スッキリする」と間違ってしまう子が出てくるのです。また、子供の社会は大人が思っている以上に弱肉強食ですから、自分がいじめられないために他者を攻撃する子供もいるでしょう。

しかし、いじめには、いじめられる事に誰もが納得できるような原因はありません。いじめをしてもいい理由など、ありません。

いじめにあいやすい子の特徴

いじめにあいやすい子の多くは、特徴があります。もちろん、どんな場合でもいじめてもいい理由にはなりませんが、子供にいじめにあいやすい特徴があるときは、親が早めにケアをしたり友達と仲良くできるようにフォローしたりすることも大切でしょう。

人と違う

  • 他の子よりも身体が大きい or 小さい
  • 勉強や運動ができる or できない
  • 一人でいることを好む
  • 周りが興味をもることに興味を持てない
  • 転入してきた

人間は集団生活を好むあまり、人と違う事をしている人を特別視する傾向があります。大人であれば「個性」と捉えられる事も、未熟な子供たちにとっては「異端」になり、からかいの的になります。からかわれたときに必要以上に反応してしますと「面白い」と思われてしまい、いじめに発展することがあります。

家庭環境が複雑な場合

今やシングルで子供を育てている方も珍しくはありませんし、クラスに数人はシングルの家庭の子供だったりします。

ただし、その中でも何度も苗字が変わったり、親ではなく祖父母のみと暮らしていたりとなればちょっと違います。苗字が変わる、親が育てていないとなれば、周りの大人達からの視線が少し変わったものになり、子供は大人の空気を敏感に察し「いじめてもいいんだ」と勘違いをすることがあるのです。

人が嫌がる事をする

口が達者で一言多い場合や、口よりも手が出てしまう乱暴者、男の子にありがちな不潔(歯を磨かない、鼻くそをほじる)という、人が嫌がる事をしてしまう場合も簡単に集団でのいじめに発展します。これは「みんなが嫌がっている」という大義名分がある上に集団でおこなうためエスカレートしやすいです。

いじめの判断基準

子供のいじめの判断基準は、難しいものです。

乱暴されたと泣きながら訴えてきた子が、実は自分から言葉でちょっかいをかけて怒らせていることもあるでしょうし、お互い楽しく遊んでいると思っている子には、一言「やめて」が言えたらそれで解決する、なんてこともあるかもしれません。

子供から「いじめにあっている」と言われたら、まずはしっかりと子供の話を聞いたうえで、事実確認をする事が大切です。

いじめの判断基準で共通していることは、「嫌だ」という意志を示しているのに行われる事です。未熟な子供の頃は、人が嫌がることをしてしまうこともあるでしょう。でも、相手が嫌がっているとわかったのなら、そこで止めなければいけません。少なくとも、学校に行く年齢の子供にはできる事です。

以下に、相談機関などによるいじめの判断基準3点をご紹介します。

自分より弱いものに対して一方的に行う

「一方的に」がポイントです。嫌がっているのに止めてくれない、逃げても追いかけてくる、泣くまでやる、などと言うのは完全に悪質ないじめです。

身体的・心理的な攻撃を継続的に加える

「継続的に」というのは大人でも辛い物です。冗談のような軽い悪口、乱暴な遊び、が日に数回、毎日続いたら「同じことをされるかも?」と外に出ることも辛くなってしまいます。

相手が深刻な苦痛を感じているもの

「ふざけていた」「軽い気持ちだった」「一緒に遊んでいただけ」そんなことを言っても、やられた側が深刻に苦痛を感じていたのなら、遊びでは済まされません。苦痛に感じていることを知りながらやっているのなら、それは深刻ないじめです。

いじめをする子の心

いじめを受けている側から見たら、いじめをする子供は悪魔のように見えるものですが、本当はただの子供です。

もちろん、いじめは許される事ではありません。しかし、憎いいじめっ子あっても、家庭の不和、不安感、ストレスが行き場を失くして弱者へと向かわせてしまっているのかもしれません。いじめっ子は家庭で「嫌がっている事をしてはいけない」と本当の意味で教えられてこなかったのがいじめの根本的な理由なのかもしれません。

人間は愛情を受けることで他者への愛情を学びますし、叱られる事で善悪を学びます。

いじめをする子供を悪い子と断罪するだけでなく、なぜいじめをするのかと考えて、導いてあげる事が一番の解決かもしれません。

いじめにあった時の対処法

いじめに遭っていることが分かったら、早急な対処が必要です。

現状把握

まずは、子供がされていることをしっかりと把握することが大切です。

子供の言い分以外にも、用事があったふりをして学校に顔を出し覗いてみるのもいいですし、帰宅時間に合わせて通学路に立ち、帰宅途中のいじめがないかを確認することも有効です。いじめをしているのは誰なのか、原因はあるのか、子供視点以外からしっかりと把握することも大切です。

学校への相談

学校に事実として報告し、相談をします。感情的にならないように冷静に、担任や学校がいじめに対してどう考えているのかを判断しましょう。問題解決に向けて積極的な姿勢を見せてくれるのなら、いじめ改善のための頼れるパートナーとなり、一緒に動いていけますが、事実確認もそこそこに、「いじめはありません」と言い切ってしまうようであれば学校での早期解決は難しいでしょう。

子供をいじめから守る

「いじめをやめさせる」のに時間がかかるのであれば、「子供を守る」ことを優先した方がいいのかもしれません。学年が変わるタイミングならいじめをする子とクラスを放してもらう、保健室登校やフリースクールもあります。親が子供を全力で守ることは、子供にとって救いになるのではないでしょうか。

辛い場所から離れることも必要

いじめを受けて、どんどん表情が暗くなっていくのであれば、違う環境に身を置くことも必要ではないでしょうか。保健室登校やクラス替えなどもいいのですが、そもそもいじめが起こった場所に行くことも出来ないのなら、転校も視野に入れてみましょう。

公立の小中学校の場合は、住んでいる地域によって学校が決まるので引越しをする必要があるのではと思われるかもしれませんが、いじめが原因で転校したい場合は、学区外への通学も認められます。学区外に通うことを気にするようであれば「引越しの予定があるので転校の手続きをしたが、引越しが延期になった。そのうち自宅も引っ越してくる」とでもしておけばいいのです。

また、学校という場所を怖がる、外に出れない位に心の傷が深いのなら無理をせずにフリースクールなどを利用するのもいいですし、自宅で勉強するのもいいでしょう。

大切なのは「いじめがある学校なんか行かなくても、生きる場所がたくさんある」ことを子供に教える事ではないでしょうか。

まとめ

子供のいじめ問題は年々深刻化していますし、どんなきっかけで当事者になるかわからないものです。「まさか我が子が」などと思わず、いつでも子供からのSOSを感じ取れるようにアンテナを張り、いざとなれば全力で子供を守るような「頼れる親」になりましょう。

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