ベランダ喫煙のご近所トラブル解決法をご紹介!
ご近所トラブルで、タバコの喫煙で悩んでいる人も多いです。
いわゆるホタル族と呼ばれるベランダ喫煙。子育て家庭は、隣人が喫煙者だとタバコの煙が室内に入ってくると窓を開けられなくなりストレスに感じる人もいます。
タバコ自体は嗜好品なので禁止したり、警察に苦情を言っても意味がありません。とは言え、裁判で受動喫煙の訴訟で原告が勝訴した実例もあり、受動喫煙の健康被害も気にもなります。問題解決のために何をしたらいいのでしょうか。
ご近所トラブルで「ベランダ喫煙」で悩んでいる人は多い
ご近所トラブルで、タバコの被害があります。吸う人と吸わない人でタバコに関しての感覚が違うものの、タバコの受動喫煙は、最悪がんのような健康被害にもつながります。
隣人のべランダ喫煙で悩んでいる人は、マンションでも戸建てでもいますが、嗜好品なのでタバコ自体を禁止することはできません。
ただし、注意文を回覧したり苦情を伝えてもやめてもらえない場合は、裁判で訴訟になったケースもあり、受動喫煙の訴訟で原告が5万円を勝ち取った名古屋地裁の例もあります。
(原告勝訴の判例)
2012年、マンションの階下の住人がベランダ喫煙を繰り返して健康被害が生じた例。
やめてほしいと希望を出したものの喫煙者が応じずにベランダ喫煙を継続。マンションの規約ではベランダ喫煙が禁止のルールはなかったものの、原告側が勝訴。喫煙者に5万円の支払い命令を地方裁判所が出しました。
タバコ被害の影響度
喫煙者は日本国内でも減ってきていますが、やめようと思って禁煙したものの失敗する人もいる依存性の高い嗜好品です。
「百害あって一利なし」と言われているタバコですが、このタバコには主流煙、副流煙の2つの煙があります。
- 主流煙:喫煙者自身が吸う煙
- 副流煙:タバコの火がついているところから出る煙
副流煙は主流煙よりも倍以上の有害物質があり、アンモニアは70倍以上の値です。タバコは吸っている本人よりも、周囲の副流煙を吸う人の方が健康被害が大きくなります。吸っている本人が肺がんの危険性が高くなるほか、夫が喫煙者の場合だと吸わない妻も約1.5倍の肺がん発症率になります。
子供へのタバコの影響は大きく、
- 妊娠中の喫煙女性の胎児は心拍数低下、発育も遅くなる
- 喫煙した妊婦からうまれた子供は成長が遅く知能指数も低い
- 小児がん、ぜんそく、気管支炎、歯周病の原因となる
- キレやすい大人になるデータもある
と考えられています。
ベランダ喫煙のトラブル解決のための方法紹介
ベランダ喫煙が嫌でも、最初から裁判をするのは極端です。だからと言って、隣人同士で直接話し合うと揉め事になります。
長く平和に暮らすために、トラブルになることは避けたいものです。マンションの管理会社から言ってもらったり、掲示板に注意文を掲載することからはじめてみるのはどうでしょうか。
解決法を4つご提案します。できると思うものからやってみてください。
解決法1:マンションならベランダ喫煙が規約でOKか確認を
ご近所トラブルでベランダ喫煙が起こった時、まずはマンション規約を確認してみてください。マンション規約とは、分譲マンションを購入したり、賃貸マンションを借りる時に受け取る冊子です。この中には、住むにあたってのルールがあります。
マンションのベランダ喫煙は許可されているか、許可されていないかを確認します。
喫煙が許可されている(書かれていない)
バルコニーでの喫煙を明らかに禁止していないことから、管理会社に伝えても、住民にきつくバルコニー喫煙禁止と言えないことがあります。喫煙で多くの人が迷惑と感じているなら、規約変更のために動くこともできます。過去の判例では、ベランダ喫煙が禁止されていなくても原告勝訴の例もあるため、規約に書かれていなくても気落ちしないようにしましょう。
喫煙が禁止されている
最初から禁止されているのなら、ベランダ喫煙はルール違反になります。注意文を掲示してもらい、管理会社から注意することも可能です。ベランダ喫煙をやめてもらうよう、強めにはたらきかけることができます。
喫煙習慣は、禁煙したくてもできないケースがあるので、「タバコを吸うな」とは言わないようにします。室内で吸ってもらうこと、洗濯が干してある時間帯に吸うとニオイがつくこと、加えて気管支系の持病があるなら病気が悪化し健康被害があることなども伝えるようにすると、喫煙者にも理解してもらいやすいでしょう。
解決法2:マンションの管理会社に相談して注意してもらう!直接の話し合いは避ける
ご近所トラブルの解決策として、直接の話し合いは避けるべきです。
ベランダ喫煙をやめてほしければ、管理会社に伝えて注意文を掲示してもらう、管理会社から住民に苦情を伝えてもらうようにします。その際も、ぜんそくなどの病気があるなら正直に伝え、健康被害が出ていることも伝えるようにしましょう。
解決法1で示したように、「〇〇なら喫煙してもいい」と逃げ道を作ってあげることもポイントです。相手にとっても「どこで吸えばいいんだ!」と逆ギレしてしまいかねません。
解決法3:管理規約をバルコニーでの喫煙禁止に
ベランダ喫煙が禁止されていない(書かれていない)場合でも、マンションの総会でベランダ喫煙の禁止案を決議できます。
禁止案を決議するためにはマンションの総会で多数決の票が必要です。多くの人がベランダ喫煙に反対していれば可決されます。ただ、これには問題があり、マンション住人のうち、喫煙者が過半数だと決議が通らない可能性があります。
マンション住民がベランダ喫煙するのには、理由があります。喫煙者は、室内で吸うと壁紙が汚れることから家族にベランダで吸うように言われている場合もあります。喫煙者が家族にいると、室内より室外で吸ってほしいと考えがちで反対票になります。
総会での話し合いは、誰が喫煙に賛成で、誰が喫煙に反対かわからないようにスムーズに行わなければなりません。苦情を言った側がいじめられたり、お互いがケンカしたり泥沼にならないよう配慮が必要です。
解決法4:戸建の場合は「お願い」できるが最悪の場合は弁護士に相談
ベランダ喫煙のご近所問題がマンションよりも大きくなりがちなのが、戸建の場合です。
マンションでは規約があり、管理会社もあるため、禁止されていれば注意文を掲示したり管理会社から注意をしてもらえます。また、管理規約がなくても、多くの人が迷惑だと総会で過半数を集めてベランダ喫煙を禁止してもらえることもあります。
戸建の場合は管理会社がないため直接対決になりやすいです。
注意を受けた側は自分の敷地内で喫煙をしていても何が悪いのかと感じる人も多いので、トラブルが発展してしまうケースもあります。
戸建では明確なルールがないからこそ厄介です。広い庭があるならいいですが、最近では狭小住宅が増えてきて、玄関横がすぐリビングだったり、ベランダが近いこともあります。
管理会社がないため、町内会や民生委員に相談するくらいしかできなく、どうしても住民同士のトラブルになり、お願いしたとしても、相手が言うことを聞き入れなければ新たなトラブルの火種になる可能性もあります。
解決が難しい場合は、弁護士に相談することもひとつです。
もし訴訟になると社会生活を営むにあたり我慢するべき限度の「受忍限度」を超えている場合は原告が勝訴します。ぜんそく、気管支炎など病状の診断書を用意し、空気清浄機や扇風機を置いて対策しても効果なしであることを示すことで、損害賠償請求が認められます。ただ、訴えた側が精神的に疲れてしまうケースもあり、金銭的負担もあります。ですので、この解決法はあくまでも最悪の場合と捉えておいた方がいいでしょう。
まとめ
ご近所トラブルのベランダ喫煙は、吸う側と吸わない側で意見の対立がある場合に厄介です。一度はやめたとしても、落ち着いた頃にベランダ喫煙が再開する状況もあり、規約でベランダ喫煙を禁止していても見ていないから吸う人もいます。
民事訴訟をする方法もありますが、健康被害や受忍限度を超えている証拠を集めなくてはいけないため、訴えた側が疲れてしまう場合も多いです。
柔らかくお願いすることを心がけるとともに、それまでのご近所との円満な関係を築くことが大切ではないでしょうか。