ご近所トラブル発生時の謝罪の仕方で失敗しない為のコツ
誰でもご近所とのトラブルは避けたいものです。いつも話し声や音楽のボリューム、ゴミの出し方などについて、トラブルにならないように注意していると思います。
ただ、日頃から気をつけていても、トラブルは未然に防ぎきれません。突然のハプニングやアクシデントで、起こってしまうことがあります。そんなとき、「どうしたらいいの…?」と不安になってしまうかもしれません。
でも安心してください。たとえトラブルが発生してしまったとしても、謝罪の仕方を失敗しなければ、今後も良好な関係でいられます。きちんと対応したことでトラブル以前よりも関係が良くなった、ということもあります。
そこで今回は、ご近所トラブル発生時の対処法として、謝罪の仕方で失敗しない為のコツについてご紹介します。
なぜご近所トラブルで謝罪の仕方を失敗してはいけないのか
ご近所トラブルが起きたとき、謝罪の仕方を失敗してはいけません。理由は、相手との関係が余計にこじれ、問題解決が非常に困難になってしまうからです。
特に、ものの見方や受け取り方が人によって違うため、たとえ自分が丁寧に謝罪したつもりであっても、相手がそれを「いい加減だ」「気持ちがこもってない」と感じることがあります。
また「こちらから挨拶したのに、挨拶してくれなかった」といった些細なことが負の感情となり、時間の経過とともに溜まりに溜まって、トラブル時にきつい口調で苦情を言ってくることもあります。
たしかに相手から厳しい口調で非難されたら、つい腹が立って反発し、言い返したくなるかもしれません。しかし、まずは相手の捉え方にもいろいろあるということを知り、一旦は相手の主張をよく聞き謝罪することが大事です。
そうすれば余計に関係がこじれることもなくなるので、問題解決の糸口を探しやすくなります。
ご近所トラブル発生時にまず行うべきこと
ご近所トラブルが発生した際に、まずはどうしたらよいでしょうか。発生時に行うべきことをご紹介します。
相手の不快感に寄り添う
相手の不快感に寄り添うことが大事です。まずはお互いに冷静になる必要があるためです。
実際、相手の不快な感情に対して謝罪し、相手の言い分をよく聞くことで何が問題なのかがはっきりしてきます。また相手は話しているうちに次第に冷静になっていくでしょう。
まだトラブルの原因や事実関係がはっきりしない場合なら、なおさら相手の話をよく聞いておくようにしましょう。事実を確認し、日を改めて結果を伝えるように約束すれば、誠実な印象を持たれます。
初めのうちは、相手は感情が高ぶっているので、その勢いで苦情を言ってきます。言われたほうもついカッとなって、何か言い返したくなるかもしれませんが、それでは謝罪の仕方としては失敗です。まずは相手の感情に寄り添い、不快に感じさせたことに対して謝罪するようにしましょう。
原因が自分にないときは冷静に事実を説明する
明らかにトラブルの原因が自分にない場合には、そのことを冷静に説明しましょう。相手の事実誤認を責めたりすると、別の火種をかかえることになりかねません。
具体的には、次のように原因が自分にないことを、事実に即して明確に伝えます。
「私は◯月◯日の◯時から◯時までは仕事で不在にしていました。なので今回の件は、私とは関係がありません。ただ、◯◯さんなら何か知っているかもしれないので、一緒に確認しましょうか」
このように、前半で優しく冷静に事実を伝えることで、自分には非がないことを伝えられます。さらに後半のように協力する姿勢を見せることで相手から信頼につなげることができます。
ご近所トラブルの原因が自分にあるときの失敗しない謝罪の仕方
では、ご近所トラブルの原因が自分にあるとき、どのように対処すればいいのでしょうか。失敗しないための謝罪のコツをご紹介します。
まずは直接会って心からお詫びする
ご近所同士で家も近いので、直接お詫びに行きましょう。その際のポイントは、すぐさま出向くことです。
何日も経ってから行ったり、言い訳をしたりすれば、相手からの印象は悪くなってしまい、さらに怒りを増大させることになりかねません。
もちろん、原因が自分にあるとはいえ、わざとやったわけではないかもしれません。そこでつい言い訳をしたくなってしまっても、じっと我慢して心からお詫びしましょう。
まず何よりも重要なことは、いち早く相手の家に行き、謝罪の気持ちを伝えることです。
お詫びの気持ちを表すため菓子折り等を持参する
直接お詫びに行く際には、きちんとお詫びの気持ちを表すために、菓子折り等を持参しましょう。
その際、金額は2,000円~3,000円程度で、近所のスーパーやコンビニで買うよりは、大手デパートや、有名なお店の物であればまず問題ないでしょう。
お詫び状を書く
お詫びに出向いても留守の場合には、お詫び状を書いてポストに入れておきましょう。その後、必ずあらためて訪問しましょう。
具体的なお詫び状の書き方は以下を参考にしてください。
- (1)まずは謝罪の言葉を述べる。(※時候の挨拶は省略可能)
- (2)自らの責任を認め、反省する。
- (3)今後の対応策を述べる。
- (4)締めの言葉を述べる。
お詫び状の例:
この度は、◯◯のために、◯◯様にご迷惑おかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
配慮が至らなかった点を痛感し、深く反省しております。
今後はこのようなことがないように対策を講じて参ります。
まずは誠に失礼ながら、書中にてお詫び申し上げます。
敬具
◯年◯月◯日◯◯様」
お詫び状は、きちんと便箋に手書きで書くと、誠実な気持ちが伝わりやすくなります。字を書くのが苦手でも、なるべく手書きで書いて気持ちを伝えましょう。
丁寧に事情を説明する
最初にお詫びをしっかり行った後は、トラブルに至った事情を丁寧に説明しましょう。ここでも「そうせざるを得なかった」「仕方なかった」等の言い訳は禁物です。お詫びを交えながら丁寧に事情を伝えることで、大抵は相手から理解を得られるでしょう。
誠実に損害の補填の仕方を説明する
損害を与えてしまった場合には、まずはきちんと損害賠償することを申し出ましょう。「物を壊した」「怪我を負わせた」「窓を割った」等に対して、物の修繕費用や治療にかかった費用を全額負担する旨を伝えることで誠意が伝わるはずです。そのうえで具体的な業者の手配等について話し合いましょう。
今後の対策を説明する
最後に今後の対策の仕方について説明します。トラブルの原因に対してどのように対策を講じるつもりなのか、できるだけ具体的に伝えましょう。
もう二度とトラブルが起きないような改善策を真剣に説明することで、相手は安心することでしょう。あなたの誠実さが伝わり、「そこまでしなくてもいいですよ」「これからもよろしく」といった声をいただけることもあるかもしれません。
謝罪に失敗してしまったときの対処法
では万が一、謝罪の仕方で失敗してしまった場合、どのように対処したらいいのでしょうか。場面に応じた対処法をご紹介します。
興奮して今にも襲いかかってきそうな相手の場合
相手が非常に怒りで興奮し、会話をすることもままならず、今にも襲いかかってきそうな場合、たとえ自分に原因がある場合でも、すぐに警察やその他の第三者を呼びましょう。
一対一で対応し続けると、相手の怒りの感情が手に負えないほど上昇してしまい、最悪の場合暴力を振るわれる可能性があります。最悪のケースを未然に防ぐためにも、一対一で対処しようとするのではなく、警察等を呼んだり、喫茶店やファミリーレストラン等に場所を変えたりして、他人の目があるところで話し合うといいでしょう。相手も誰かがいる場所では次第に落ち着いてくるでしょう。そのうえで冷静な対応をすることが望ましいです。
相手が謝罪をまったく受け入れない場合
何度も話し合いを行い、繰り返し謝罪をしても相手が話をまったく受け入れてくれない場合があります。そのような場合は、第三者を間に入れることが望ましいです。
話し合いが平行線のまま一向にらちが明かない、相手がわざと無茶な主張をしてくるような場合には、第三者を間に入れることで、お互いに冷静に話ができるようになります。
相手が繰り返し執拗に文句を言ってくる場合
相手が何度もしつこく文句を言ってくる場合には、まず相手の言い分をすべて聞いたうえで、自分は感情的にならずにまずは相手の不快感に寄り添いつつ謝罪します。次に事実関係の確認をするため、後日結果を速やかに報告することを約束するといいでしょう。
繰り返し文句や苦情を言ってくるということは、それだけ相手は怒りの感情を何度も溜め込んでいます。そのため一度すべて感情を発散させたうえで冷静な対応をすることで、相手も落ち着くことができます。
注意すべきなのは、事実関係を確認した結果は、できるだけ迅速に伝えましょう。もし時間がかかりそうな場合は途中経過を伝えるようにすれば相手は安心するでしょう。
なおそれでも相手が納得せず、しつこく文句を言い続けてくる場合には、第三者を間に入れることを検討するといいでしょう。
第三者への相談がポイント
謝罪の仕方に失敗してしまったときの対処法として、第三者への相談がポイントになります。謝罪の仕方に問題があった際、大抵相手は感情的になっているため、冷静に話し合いができる状態ではないからです。なお、第三者とは、具体的には、一戸建ての場合は自治会、集合住宅の場合は管理人(管理会社)、さらには警察や弁護士などです。
第三者を間に入れて話し合いをすることで、相手の感情は冷静になり、話し合いはこじれずに問題解決の糸口をつかむことができるでしょう。
ご近所トラブルを起こさないためには
ご近所トラブルが起こらないように、普段どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。
日頃から挨拶等をして友好的な人間関係を築く
顔を合わせたら挨拶等をして、日頃から良好な人間関係を築いておきましょう。そうすることで大きなトラブルになるのを未然に防ぐことができるようになります。たとえば、ゴミの出し方を間違えていたら、「ゴミの出し方が間違っていますよ」など、トラブル以前の簡単な注意だけで済みます。日頃から簡単な挨拶や世間話等をして交流しておけば、大きなトラブルになるのを未然に防ぐことができるでしょう。
地域の行事などに参加して顔見知りを増やす
日頃の挨拶に加えて、地域のお祭りや商店街のイベント等、地域の行事に参加して、顔見知りを増やしましょう。面倒でも積極的に参加すれば、次第にご近所との付き合いも増え、信頼も増します。こうした活動もトラブルの防止につながることでしょう。