行方不明者の国民健康保険、国民年金はどうなるの?

年金手帳

家族が突然の行方不明・・・考えたくないことですが、そういった事態になる可能性はゼロではありません。本記事では、行方不明者の国民健康保険や国民年金はどうなるのか、ご説明していきます。

行方不明の場合、まず警察に届け出を!

家族が帰ってこない、急にいなくなったなど行方不明では?と思う場合は、まず警察に相談に行きましょう。行方不明者届の提出をし、捜索が早急に必要と警察に判断されれば受理され、本格的な捜索をしてもらえます。またこの時に行方不明者届受理証明書も発行されます。

行方不明者の家族であれば問題なく届け出できますが、その他、同居人、雇用人などでも届け出が可能です。

国民健康保険と国民年金は、行方不明者本人に支払義務がある

行方不明者の国民健康保険や国民年金は、残された家族が支払わなければならないのか不安になるかと思いますが、基本的には行方不明者本人が支払うべきものです。

行方不明者宛てに納付書などが届いた時には、役所の住民課に行方不明だということを証明する書類として、行方不明者届受理証明を持って相談に行きましょう。

国民健康保険料では世帯主が納付する額の中に行方不明者の分も含まれていますので、役所の住民課で職権消除をしてもらいましょう。手配をきちんと行えば、行方不明者の分を除いて納付額を計算してもらえます。

また行方不明者が厚生年金保険に加入しており、残された家族がその扶養に入っていた場合は、残された家族は国民年金保険への切り替えとなりますので、役所に行き手配を忘れないようにしましょう。

行方不明者の扶養になっている場合の支払いの対処法

残された家族が、行方不明者本人の扶養となっている場合の、国民健康保険と国民年金の支払いについてご説明します。

国民健康保険

まず行方不明者を世帯主として国民健康保険に加入し、その扶養家族として妻、子供が入っている場合、世帯主が行方不明であることを役所に相談し、世帯分離をすることも検討するとよいでしょう。

もちろん行方不明者がすぐに戻ってくるとお考えならそのまま払い続けてもよいですが、戻ってくる気配がない、経済的にも厳しいなどの問題もあるでしょう。

国民健康保険料は、世帯の人数や、世帯主、扶養家族それぞれの固定資産、所得税などを基礎として計算されています。同じ住所でも世帯を分けることができますので、まず行方不明者と、それ以外の家族で世帯を分けます。夫、妻、子供の家族であった場合で、夫が行方不明になった場合は、妻を世帯主とし子供を扶養に入れる形をとるとよいでしょう。

そうすることで、行方不明者の世帯主分の支払いはせずに、残された家族の国民健康保険だけを支払うことができます。

国民年金

国民年金は基本的には本人が支払うものですが、国民年金法第88条の3項に「配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。」とあり、行方不明者の配偶者の場合は連帯納付義務が発生します。ただし、行方不明者と世帯分離をし、年金支払免除を申立できる可能性もありますので、役所や年金機構に相談してみましょう。

行方不明者の失踪宣告には普通失踪と特別失踪がある

家族などが行方不明になってすぐ戻ってきてくれるといいのですが、何年も行方が知れず生死が分からない場合、その人の財産などをどうしていいか分からなくなります。そういった場合に条件によって行方不明者を死亡したとみなす「失踪宣告」という制度があります。

この失踪宣告には特別失踪と普通失踪の2種類があります。

特別失踪は、戦地や船舶で沈没など、死亡する原因となる危機に遭遇した者の生死が、その危機から1年間明らかでない場合に、利害関係者(主に家族など)が家庭裁判所に請求することで失踪が宣告され、死亡したとみなされます。

それ以外の失踪は普通失踪となり、行方不明の状態が7年間続き、家族などの利害関係者が家庭裁判所に請求し、失踪が宣告されると死亡したとみなされます。

どちらもの場合も家庭裁判所への手続きが必要となりますので、行方不明者が戻ってこない場合はこのような手続きも検討しましょう。

行方不明者の国民年金は受け取れるのか

国民年金受給中は、現況届などで年金受取人の生存の確認が必要です。行方不明の状態ですので、基本的には生存確認ができず国民年金は保留となります。

その場合、国民年金は本人に支払うものなので、行方不明になってから支給されていた年金は過払い扱いとなり、返還が必要になる場合もあります。

行方不明になり、戻ってくる見込みがない状況であるなら、早目に年金事務所へ相談に行くのがよいでしょう。その際、行方不明者届受理証明も持参します。

逆に、行方不明者が戻ってきた場合は、それまで支払われていなかった期間の年金が遡って支払われます。

先ほどご説明した失踪宣告された後は、行方不明者が死亡したとみなされるため、国民年金については終了し、残された家族は遺族年金を受け取ることができます。

行方不明者が見つかった場合、支払いはどうなるか

行方不明者が見つかって戻ってきた場合、警察に行方不明者届を提出して受理されていた場合は、提出した本人が警察署に出向き取り下げを行います。家庭裁判所で手続きをしていた場合も、見つかった連絡をします。

国民健康保険に関しては役所に、国民年金については年金事務所に行方不明者が戻ってきたことを報告に行きましょう。

行方不明中で支払っていなかった国民健康保険と国民年金は遡って請求され、延滞金も発生します。

行方不明になった場合は、各種手続きを!

家族などが行方不明者となった場合、国民健康保険や国民年金がどうなるかをご紹介してきました。

まず警察に相談に行き行方不明者届を提出し、戻ってくる様子がない場合は、行方不明者の支払うべき国民健康保険を役所へ、国民年金については年金事務所へ相談に出向きましょう。

行方不明者のことで混乱していて大変な状況ですが、必要な手続きはきちんと行うようにすることが大切です。

家出・人探し・行方不明調査の料金・費用相場

1日あたりの相場 費用総額の相場
家出・人探し・行方不明調査 15.2万円 124.8万円

※実際に探偵ちゃんで紹介した探偵事務所に依頼した人の事例を元に算出しています。