認知症の祖父・祖母が失踪!対処法と失踪のリスクを下げる方法

祖母と祖父

現在少子高齢化が進む日本では認知症を抱えた老人の失踪事件が多発しています。「認知症を抱えた両親が失踪したら、、、」という不安を抱えている方も多いかと思います。

今回はもし認知症を抱えた老人が失踪した場合どうしたら良いのか、その対処法を詳しく解説していきたいと思います。

認知症で失踪する人は多数存在

テレビや新聞で失踪する老人のニュースを度々聞くこともあるでしょう。実は失踪する老人の数は増加傾向にあります。

年間の行方不明認知症老人の数

年々増加する老人ですが認知症患者の数も増加傾向にあります。

厚生労働省によれば2012年の時点で約462万人で、これは老人の7人に1人が認知症という計算になります。また、認知症患者は増え続け2025年には5人に1人が認知症という状態になると言われています。

認知症老人は失踪したり行方不明になる場合もあります。

警察庁は2017年に届け出が出された認知症の行方不明者の数は1万5863人にも登ったと発表しました。この数は5年連続の増加で、2012年から5年で倍近くになりました。

中には死亡した例も

認知症で失踪した老人の中には遺体として発見された事例もあります。

2017年では行方不明になった認知症患者のうち470名は死亡していました。

認知症失踪者の死因としては長期間外にいることによる栄養失調や脱水症状、交通事故で巻き込まれる、持病の悪化などが挙げられます。川や用水路などに落ちて溺死する事案や、事件に巻き込まれたりする場合もあるようです。

対策は大変難しい

こうした認知症老人の失踪事件は増加傾向にあるのですが、対策はなかなか難しいのが現状です。外出させないというのが確実ですが、実際、家に閉じ込めておくわけにはいきません。

共働きで昼間家を開けているという人も多いので、24時間見張っていられないという現状もあります。

また、仮に徘徊しているところを発見されても、警察が認知症患者と判断するのは難しく、年齢を聞いても間違った年齢を答える場合も多いため、照会することができない場合があります。

現在、警察でも日々対策を検討中ですが、地域や自治体との連携を取る制度やシステムが推進されています。

認知症の家族が疾走した時の対処法

では、実際認知症を患っている家族が失踪してしまったとき、どのような対処法をとったらよいのでしょうか?対処法をご紹介します。

家族で行きそうな場所を探してみる

認知症を患った家族が失踪してしまったらまずは自分たちで探しましょう。その際、普段から祖父母が行きそうなところを探してみましょう。

コンビニ、スーパー、公園などなどお年寄りの行きそうなところはたくさんあります。日頃から祖父母の行動パターンを把握しておくとより発見率が上がるでしょう。

失踪老人の大半は徒歩で外に出ますので、すぐに捜索すれば近場で見つけることができます。いないと分かったらすぐに付近を捜索しましょう。

地域の力を借りる

近隣住人の力を借りることも重要です。単純に多くの人員で捜索した方が発見率は上がります。また、もし祖父母が失踪してしまった際、道端を歩いているところを偶然近隣住人が発見し、保護、家族に連絡といった形で発見されるケースも考えられます。

普段からご近所と、いざという時に助け合える関係を構築しておくと良いでしょう。

利用している介護サービス会社に連絡

普段介護サービスを利用しているのであれば、その会社の担当者に連絡してみましょう。

介護士は老人についてのスペシャリストですので、行動パターンや迷い癖などを把握している場合が多いです。ですので、行き先の検討がつかない場合は介護担当者に連絡を取ってみるといいかもしれません。場合によっては事業所や他の介護士と協力して捜索を手伝ってくれることもあります。

地域包括支援センターに連絡する

地域によっては失踪した老人を保護するようなサービスを提供している場合があります。

埼玉県さいたま市では老人が失踪した際、老人の氏名や顔写真などをネットワーク協力機関に共有し、捜索協力依頼を出すという「さいたま市徘徊見守りSOSネットワーク」というサービスを提供しています。

このようなサービスはさいたま市だけでなく、多くの自治体で行われており、このサービスによって早期発見に至ったケースも数多くあります。

事前登録をしておくと発見率は格段に上がりますので、普段から徘徊癖がある家族がいるなら登録しておいた方が良いでしょう。まずは、今住んでいる自治体に相談してみてください。

警察へ届け方

認知症を患った家族が失踪してしまった際、早めに警察に届け出ることも重要です。

失踪者は時間が経つにつれ発見率が下がっていくので、迅速な対応が求められます。では、警察へ届け出る際はどのような手順を踏めば良いのでしょうか?簡単にご説明します。

まず、警察には捜索願を届け出ることになります。警察署や交番に行き「捜索願を出したい」という旨を伝えると、専用の用紙を持ってきてくれるので必要事項を記入しましょう。

主な記入項目としては以下のようなものがあります。

  • 行方不明者の個人情報
  • 容姿、服装の特徴
  • 行方不明者に薬物利用の過去、病気はないか

捜索願を出す際は顔写真などがあるとより効果的です。また、警察署に届け出る際は身分証や印鑑を忘れずに持っていきましょう。用紙を提出したら届出は完了です。あとは発見されることを祈るだけです。

身元不明の認知症高齢者に関する特設サイトを開設している自治体も

自治体によっては行方不明になった老人の情報を共有する特設サイトを開設している場合があります。このサイトには行方不明者のイニシャル、保護した時期、当時の服装の特徴などが書かれています。

もし、なかなか見つけることができないといった場合は、こちらの自治体の公式サイトを見てみると良いでしょう。

厚生労働省のサイトで身元不明の認知症高齢者に関する特設サイトを自治体ごとにまとめたページがありますのでこちらも便利です。

探偵の力を借りる

警察や自治体では他にも多くの事件や仕事を抱えているため、届け出ても念入りに捜索してくれない可能性があります。そんな時は探偵の力を借りるのも効果的です。

探偵は人探しのプロですので、発見してくれる可能性が高いです。会社によっては低価格で引き受けてくれるところもあるので、まずはネットや電話で連絡し見積もりを出してもらいましょう。

認知症老人の失踪のリスクを下げる方法

認知症の老人が失踪するリスクは高く、完全に無くすことはできません。しかし、日々の行動によってはそのリスクを下げることもできます。

そんな認知症老人の失踪リスクを下げる方法について解説します。

趣味を見つける

失踪してしまう認知症の老人の特徴として、家の中でぼーっとしていることが多いということが挙げられます。

何か老人が熱中できる趣味を見つけてあげると失踪のリスクはぐんと下がります。熱中できるものであれば何でも構いません。手芸やゲートボール、将棋などといったものが代表的です。

また、趣味に熱中することによって繋がりが増えたり、認知症の進行を抑えたりといったメリットもあります。

普段の行動パターンを知っておく

前章でも述べましたが失踪してしまった時、普段の行動パターンを把握しておくことで発見率が上がります。

ですので、普段からよく観察し、行動パターンを知っておくことが重要です。どんなお店に行くのか、どのような散歩コースをたどっているのかなどメモに起こしておくと良いでしょう。

GPSを利用する

認知症を患っている家族が普段から身につけているものにGPSを入れておく方法もおススメです。

現代では安価で購入できるGPS端末も販売されているので検討してみても良いでしょう。わざわざGPS端末を買わなくても、GPS機能のあるお年寄り用携帯電話などを利用してもいいかもしれません。

玄関にセンサーやベルをつける

家族が一緒に家にいても、認知症を患った家族が外に出て行くのに気がつかないということは多々あります。

それを防止するためには家の玄関にセンサーやベルをつける方法をオススメします。この方法を取れば気がつかないうちに家から失踪するというリスクはかなり軽減するでしょう。

顔写真を用意しておく

警察に届け出るにしても、地域のサービスを利用するにしても本人の特徴が分からないとどうしようもありません。万が一失踪してしまった時に備えて、顔写真を用意しておくと良いでしょう。

本人の特徴を聞かれたとき、顔写真を見せてしまうのが一番確実です。また毎日どんな服装をしていたかメモしておくと、いざという時便利ですので是非やってみてください。

まとめ

ここまで認知症の家族が失踪してしまった時の対処法について解説してきました。

「まさか自分の家でそんなことが起こるわけがない」と思っている方は多いと思いますが、老人の失踪件数は年々増加してきており、他人事ではありません。

認知症を患っている家族がいる家庭は、普段からしっかり対策をして失踪のリスクを最大限減らし、いざという時に迅速な対応ができるように準備を怠らないようにしましょう。

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