探偵事務所の調査料金の追加料金には気をつける

お札

探偵事務所に依頼する際、追加料金が発生するケースがあります。この時、依頼主と探偵事務所の間で行き違いがあると、トラブルに発展しやすいので注意が必要です。

もちろん、追加料金を請求する探偵事務所が悪徳とは限りません。調査を成功させるために、別途追加の調査が必要な場合もあります。重要なのは、契約前に追加料金について探偵事務所が充分な説明を行い、依頼主が理解して納得の上で契約を結ぶことです。

そこで今回は、探偵事務所の追加料金について、どのようなトラブル事例があるのかを紹介。調査の追加料金が加算されるケースと、トラブルを起こさないための注意点も解説します。

探偵事務所の調査追加料金に関するトラブル事例

まずは、探偵事務所の調査追加料金に関するトラブルについて、良くある事例を紹介します。

  • 「追加で調査が発生した」と事後報告で追加料金を請求された
  • 「調査のために今すぐ調査員増員が必要」と言われ、考える間もなく承諾してしまった
  • 事前に聞いていた経費より大幅に高い経費を追加料金として請求された
  • 相談時の目的を果たしていないのに成功報酬を追加料金で請求された
  • 求めている調査結果ではないのに成功をごり押しされ、追加の成功報酬を支払わされた

上記のトラブル事例を見ると、探偵事務所と依頼主の間でコミュニケーションが不足している共通点があるとわかります。悪徳な探偵事務所の場合、故意に必要な情報を伝えなかったり、依頼主に必要な時間を与えず答えを急かしたりして、追加料金を請求してきます。

探偵事務所から契約後に追加料金が加算されるケース

探偵事務所の調査方法や料金形態によっては、契約後に追加料金が加算されるケースがあります。悪徳は論外として、どのような場合に追加料金が発生するのかについて解説します。

時給換算型で調査に想定以上の時間がかかった場合

時給換算型とは、調査員1人が1時間調査した場合の料金が決まっていて、調査にかかる人数と時間が料金に比例する料金制度です。

契約前の打ち合わせで、調査に必要な人数と時間の概算を出すため、通常は見積りより値段が大幅に上がることはありません。しかし、調査中イレギュラーが発生することもあり、想定より時間がかかると、追加料金が発生します。

尾行で想定外に交通費や宿泊費がかかった場合

探偵事務所によっては、調査や尾行等にかかる交通費や宿泊費を、経費として依頼主に請求するケースがあります。

見積もりの段階で、交通費を含んだ経費も考慮して金額を出しますが、尾行対象者が想定外に遠出したり、長期間宿泊したりした場合、見積もりをオーバーすると経費が余分に発生。調査や証拠獲得のために、移動や滞在が不可欠だと、必要経費として追加料金を請求されます。

探偵事務所と追加料金でトラブルを起こさないための注意点9つ

探偵事務所と追加料金でトラブルを起こさないためには、契約するまでに納得いくまで確認することが重要です。どのような点に注意すれば良いのか、具体的に解説します。

パック料金型の相談事務所に依頼する

探偵事務所の料金制度はさまざまで、「パック料金型」といって、最初に金額を決定して追加料金がかからないプランを扱っているところもあります。追加料金のトラブル回避には、パック料金型の探偵事務所を探すのが、もっとも手っ取り早い方法です。

ただし、パック料金の場合は、運良く初日で調査が終了した場合でも金額は変わりません。「こんなことなら、時給換算型にしておけば良かった…」と後悔する可能性があることを理解しておきましょう。

事前に調査方法や内容について明確かつ詳細な打ち合わせをする

探偵事務所と契約する前に、どのような調査方法で行うのか、依頼内容では諸経費や調査時間がどれくらいかかるのかの打ち合わせを行います。このとき、「だいたいこんな感じ」と大雑把に済ませず、明確かつ詳細な打ち合わせをしましょう。

依頼主が調査に必要な情報を細かく多く提示すれば、より正確な見積もり作成が可能です。もちろん、予測不能な事態が起こる可能性はゼロではありませんが、大幅な追加料金のリスクを減らせます。

見積書は項目別に細かい金額を出してもらう

追加料金のトラブルを回避するのに、見積書はとても重要です。探偵事務所から提示された見積書は、隅から隅まで確認するべきです。不明瞭であいまいな記載は、内容の詳細を確認し項目別に金額を出してもらって、再度見積書を作成してもらいましょう。

探偵事務所に対しての遠慮はいりません。「この依頼主は細かくて扱いにくい」と思わせるくらいが丁度良いです。

追加料金がかかるケースをすべて説明してもらう

探偵事務所は「探偵業の業務の適正化に関する法律」に則って業務を行っています。この法律には、契約を締結しようとする際、探偵事務所は依頼主が支払わなければならない金額の概算及び支払い時期を提示する義務があります。

追加料金もこの中に含まれるので、追加料金がかかるケースについては、探偵事務所にすべて説明してもらいましょう。後から「そんなの聞いてません」とならないように、依頼主から積極的に確認するのが大切です。

成功報酬型の場合、成功報酬以外の経費についての説明をしてもらう

成功報酬型でも追加料金がかかるケースがあるので注意です。調査に想定以上の時間や手間がかかると、経費として追加料金が発生するかもしれません。

「成功報酬以外に、追加で経費などの料金がかかる可能性はありますか?」と質問し、「ある」と言われたら、どのような場合にかかるのか確認し、書面に残してもらいましょう。

正しい手順で契約書を交わす

探偵事務所と依頼主がどのように契約をするのかは、「探偵業の業務の適正化に関する法律」で定められています。探偵事務所は依頼主と契約を締結しようとするとき、書面を交付して重要事項の以下の説明をしなければなりません。

  • 探偵業者の称号、名称または氏名、住所(法人の場合は代表者氏名)
  • 「個人情報の保護に関する法律」の厳守
  • 調査に係る秘密保持について
  • 探偵業務を委託する場合、その内容
  • 依頼主が支払う料金の概算、支払い時期
  • 契約解除について(クーリングオフなど)
  • 調査で作成した書類や資料の処分方法など

これは、契約書ではありません。このような書面をもって探偵事務所が説明し、依頼主が納得した後に、契約書を作成して本契約に入ります。いきなり契約書を出してくる探偵事務所は要注意です。

契約書に追加料金がかからない場合は、その旨を記載してもらう

事前に書面をもって充分な説明を受けた後、いよいよ本契約になります。パック料金型で、追加料金がかからないという説明を受けている場合は、必ず契約書にその旨を記載してもらいましょう。

口約束だけだと、いざという時に「言った言わない」のトラブルが起こります。追加料金は重要事項として、その内容を契約書に載せるのが基本です。

追加料金がかかる場合は、条件と金額を契約書に記載してもらう

「探偵業の業務の適正化に関する法律」では、契約書に「探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額並びにその支払の時期及び方法」の記載義務があります。追加料金がかかる可能性がある場合も、その内容が契約書に記載されていることを確認しましょう。

追加料金がかかる調査は依頼主の許可を得てから行うと契約書に記載してもらう

万が一、追加料金がかかる調査が発生した場合は、依頼主の許可を得てから行うことを契約書に記載してもらいましょう。後から「実はこんなに時間(人員、機材)がかかってしまいました」と、事後報告で高額の請求をされたら大変です。

契約締結前に不明点はすべて解決しておこう

依頼主の利益を考える探偵事務所は、契約締結前に充分な説明を行い、不明点には丁寧に応えてくれます。依頼主の疑問を解決するのは、探偵事務所にとってもスムーズに調査を行うメリットになるのです。

小さな不明点もそのままにせず、質問して解決しておきましょう。充分納得した上で、契約書をじっくり読んで、重要事項の記載漏れがないかの確認も忘れないでください。