探偵事務所と契約する際に確認するべき注意点9つ
探偵事務所との打ち合わせが終わり、いよいよ契約。
契約はとても重要な手続きですが、初めて探偵事務所と契約するときは、後にトラブルが起こらないよう、最低限のことはしっかり確認すべきです。
そこで今回は、探偵事務所と契約する際に、絶対に確認するべき注意点について解説します。
探偵事務所との契約でトラブルが起こるケースもある
探偵事務所は「探偵業の業務の適正化に関する法律」で、開業や業務について細かく定められています。この法律は、探偵事務所の健全な経営と、依頼者の利益を守るための法律です。
多くの探偵事務所では、法律を守って業務を行っていますが、中には依頼者との間でトラブルが起こるケースもあります。
以下に、いくつか事例をご紹介します。
- 無料相談を受けて結局契約を断った際「契約なしなら相談は有料」と言われた
- 契約を断ったら、いきなり態度が高圧的になった。
- 電話相談時と契約時の調査料金があまりにも違い驚いた
- 契約は口約束で、調査内容も料金も説明と全然違った
- 何の連絡もなく高額な追加料金を請求された
- 自分の依頼内容が第三者に漏れた
- 「調査内容をバラす」と脅迫された
- 証拠写真を見せてもらえない
- 報告書がお粗末すぎて使い物にならなかった
- 報告内容がウソだった
- 何かと理由をつけて一向に調査が始まらない
本来、探偵事務所は依頼者と契約するとき、必要事項を契約書にすべて記載して説明しなければなりません。また、「探偵業の業務の適正化に関する法律」では、上記のようなトラブルが起きないように、契約時について細かい規定が定められています。
悪徳な探偵事務所のトラブルに巻き込まれないよう、特に契約時に依頼者は何を確認するべきなのか知識を持ち、自衛することが必要です。
探偵事務所と契約する際に確認するべき注意点9つ
信頼できる探偵事務所は、「探偵業の業務の適正化に関する法律」を厳守した上で、依頼者の利益とプライバシーを守る努力を怠りません。
信頼できる探偵事務所かどうか見極めるために、相談から契約までの間、しっかり対応してくれているか確認してください。
ここでは、契約時に、必ず確認するべき注意点について解説します。
探偵事務所の開業届け出番号を取得しているか
探偵事務所は法律によって決められた手続きを取り、公安委員会の許可を得なければ開業できません。この手続きを申請している探偵事務所は、必ず開業届け出番番号を取得しています。あなたが依頼しようとしている探偵事務所に開業届け出番号があるかどうかは、真っ先に確認すべき事項です。
成功地点を確認
探偵事務所に依頼する際、調査の成功地点がどこにあるのかを明確にして、しっかりと探偵事務所とすり合わせておきましょう。探偵事務所の料金制度はさまざまですが、成功報酬形式をとっているところもあります。
満足できる調査結果を得るためにも、そして支払い時にトラブルを起こさないためにも、「どのような状態になれば成功と言えるのか」を確認し、口約束ではなく書面に残すようにしましょう。
調査人数
調査人数は料金や調査内容に関わるため、何人なのかの確認も重要です。見積もりとともに、調査人数と調査内容をしっかりチェックし、本当にこの人数で調査が可能なのか、途中増員、あるいは減員の可能性はあるのか、その場合料金はどう変わるのかまで確認しましょう。
また、その探偵事務所の規模も確認しておいてください。探偵事務所に1人、2人しかいない場合、思うような調査結果が得られない可能性もあります。1人しかいない事務所で、調査人数が2人ですと言われる可能性もあるでしょう。実際に1人で調査しているのに、2人分の調査料金を請求してくることもあります。
ですので、しっかりと規模、そして調査人数を確認しておいてください。
調査報告の頻度
探偵事務所の調査報告は、調査終了後書面や証拠写真、DVD等で行われるのが一般的です。しかし、依頼者の希望があれば、途中報告をしてくれる探偵事務所もあります。調査報告の頻度は探偵事務所によって違うので、途中報告を希望する場合は、前もって対応可能か、別料金は発生しないかを確認しましょう。
また、それがリアルタイムでもらえるのか、どれぐらいの頻度で報告がもらえるのかも確認しておいてください。
調査結果の報告の形
探偵事務所の調査は書面での報告が主流です。しかし、「それが当たり前」と確認を怠るのは危険です。依頼した内容に対して、納得いく調査結果を得るためにも、調査結果の報告の形はきちんと確認しましょう。
- 報告書はあるのか、どのような形式なのか、サンプルはあるのか
- 証拠写真や録画データも報告と一緒に受け取れるか、別料金ではないか
- 報告書は裁判の証拠として使用可能か
調査結果の報告内容は、探偵事務所に依頼する際に最も重要です。不明点がないように、詳細まで確認するのが、トラブル防止につながります。
料金について明確な説明があるか
探偵事務所の料金制度に法的基準はありません。そのため、探偵事務所によって料金システムは異なり、相場はあってないような状態です。だからこそ、探偵事務所が率先して、料金について明確な説明をしてくれるかが重要です。
探偵事務所の料金システムは、大きく3つに分かれています。
- 完全時間制(調査人数と活動時間の合計+諸経費等で料金が決まる)
- 半成功報酬型(人件費や諸経費等とは別に、調査成功時に別途料金が発生)
- 完全成功報酬型(調査成功した場合のみ料金が発生)
成功報酬が別途発生する場合は、何をもって成功とするのかの確認は必須です。
その他、見積書に各項目別に細かく記載されているかも要チェックです。あいまいな項目、よくわからない項目については、何にかかる費用なのか探偵事務所に確認しましょう。調査が延長した場合、追加料金がかかるのかも必ず聞くようにしてください。
あと、実費・経費についても確認して明確にしておきましょう。
探偵事務所と契約する前に書面を用いて説明があるか
「探偵業の業務の適正化に関する法律」では、契約する前に、探偵事務所はあらかじめ依頼主に説明しなければならない項目が定められています。
その項目が以下になります。
- 探偵業者の称号(名称)
- 探偵事務所の住所
- 探偵事務所の代表者氏名(法人の場合)
- 調査内容の秘密保持について(退職後も秘密保持の義務が発生する等)
- 調査内容の不正利用防止処置について
- 提供できる探偵業務内容
- 探偵業務を委託する場合、委託内容の詳細
- 依頼主が支払うべき金額の概算
- 報酬の支払い時期
- 契約解除に関する内容について
- 調査内容の処分方法について
これらの内容を、探偵事務所は書類で依頼主に説明する義務があります。本契約に入る前に、書面で上記内容の丁寧な説明があるかを確認しましょう。
契約前に不明点を質問して適切な回答があるか
探偵事務所から丁寧な説明があっても、初めて利用する場合は、不安や不明点が次々と出てくるでしょう。この時、うやむやにせずに、1つずつ質問してください。信頼できる相談事務所は、依頼主が納得して契約することを望んでいるので、どんなに小さな質問でも、誠意をもって丁寧に説明してくれます。
逆に、あなたの質問に対して「そんなに心配することないですよ」と、あいまいな返事がくるなら、もう少し慎重に検討するべきです。質問に答えられないのは、探偵事務所が充分な体制をとっておらず、依頼主の質問にも即答できないお粗末な状態かもしれないからです。
契約書に必要事項がしっかりと記載されているか
いよいよ本契約ですが、サインは契約書にしっかり目を通してからにしましょう。「探偵業の業務の適正化に関する法律」では、契約時に書面に記載すべき内容についても定められています。
それが以下の項目です。
- 探偵業者の称号(名称)
- 探偵事務所の住所
- 探偵事務所の代表者氏名(法人の場合)
- 探偵業務を行う契約の締結の担当者氏名
- 探偵業務を行う契約年月日
- 探偵業務に係る調査内容
- 探偵業務に係る期間
- 探偵業務に係る方法
- 探偵業務に係る調査結果の報告方法
- 探偵業務の結果報告の期限
- 探偵業務を委託する場合はその内容
- 依頼主が支払う金額
- 依頼主の支払方法
- 依頼主の支払期限
- 契約解除に関する内容
- 調査に関して作成、取得した資料の処分内容
事前に説明を受けている内容と相違がないか確認し、少しでもわからない項目があれば、その場で担当者に質問しましょう。充分理解し納得してからサインを行ってください。
探偵事務所の業務内容は法律で定められています
探偵事務所の業務内容は「探偵業の業務の適正化に関する法律」によって、細かく定められています。トラブルを防止するためにも、一度目を通しておくと良いでしょう。
また、信用できる探偵事務所は、依頼主の立場に立って物事を考えます。事前に打ち合わせを充分に行い、依頼主が納得した上で業務を行った方が、調査も順調に進み、探偵事務所にとってもメリットが大きいのです。
だから、遠慮は無用です。契約を結ぶまで、わからないことはどんどん質問しましょう。