探偵事務所・興信所の選び方、探し方
問題に直面し、自分だけで解決が難しいとき、「探偵事務所や興信所を利用してみようかな…」と考える人もいるのではないでしょうか。しかし、今まで利用経験がないと、敷居の高さを感じて躊躇してしまっていませんか。
実際に利用したいと思っても、どのように探して選べばよいのかわからず、立ち往生してしまうかもしれません。
そこで今回は、探偵事務所と興信所の選び方と探し方を徹底解説します。
探偵事務所と興信所の違いとは?
何かを調査したいと考えたときに、ぱっと思い浮かぶキーワードが「探偵事務所」と「興信所」のどちらかだと思います。恐らく、真剣にふたつの意味の違いを考えず、テレビなど外部から知った方の呼び名が思いつくと思います。
結論は、どちらも仕事内容には浮気調査や身元調査、信用調査など共通しています。
では、探偵事務所と興信所は呼び名だけが違うのか、実際に違いはあるのでしょうか。
探偵事務所は「探偵業の業務の適正化に関する法律」に則っている
明確な違いは、探偵事務所は「探偵業の業務の適正化に関する法律」に則って、開業、営業業務を行っている点です。探偵事務所を始めるには、法に定められた手続きを踏んで、許可を得なければなりません。
また、この法律には探偵が調査時に行う聞き込みや尾行等に関する記述もあります。その他、守秘義務や法律違反をした場合の罰則等も定められています。
一方、興信所には「探偵業の業務の適正化に関する法律」のような法律はなく、あるのは警視庁から通達されたガイドラインのみです。法律ではありませんので、違反しても罰則はありません。
極論から言えば、「探偵事務所」と名乗るには、法に則った手順と許可が必要なのに対し、興信所にはそれがないのが違いになります。
しかし、興信所と名称していても、「探偵業の業務の適正化に関する法律」に含まれる業務を行うため、探偵事務所としての許可を得ている事務所は多いです。この場合、名称が違うだけで、探偵事務所と興信所の違いは実質ありません。
探偵事務所・興信所の探し方3つ
「よし。探偵事務所か興信所に依頼してみよう」と思っても、どこにあるのかがわからなければ立ち往生してしまいます。まずは、あなたが足を運べる探偵事務所、興信所をどのように探せばよいのかを解説していきます。
インターネットで調べる
一番手っ取り早い探偵事務所、興信所の探し方は、インターネットで調べる方法です。インターネットで「探偵事務所(または興信所) あなたの住んでいる地名」で、検索をかけてみましょう。
いくつもの探偵事務所は興信所の名前がページに表れますので、それぞれのホームページを1つずつチェックして、所在地や営業時間、依頼内容等を確認していきましょう。
探偵ポータルサイト「探偵ちゃん」を利用する
このサイト「探偵ちゃん」のような探偵ポータルサイトを利用します。
探偵ちゃんでは、地域の探偵事務所・興信所を一覧で並べており、ひとつずつホームページを確認する必要がありません。サイト上で探偵事務所を比較検討できます。
また、探偵事務所選びに悩んでいる場合は、「探偵ちゃん」がその地域と相談内容に対応している探偵事務所を紹介します。選ぶ基準がなければ、おすすめの探偵事務所の紹介を受けることで、選ぶ手間が省けて便利です。
利用したことがある人・知り合いから紹介を受ける
もしも、あなたの周囲に探偵事務所や興信所の利用経験者がいたら、話を聞かない手はありません。「実は、自分も利用を検討しているので、良ければ探偵事務所(興信所)について教えてほしい」とお願いしてみましょう。
この時、プライバシーにかかわる依頼内容については触れず、事務所の対応やメリット・デメリットについて聞き、良さそうならば紹介をお願いしてみましょう。知人友人を通した紹介は、依頼時の安心感が違います。
一般社団法人日本調査業協会の会員から探す
一般社団法人日本調査業協会とは、消費者の安全と利益を守り、探偵興信所業界の健全化を図るために活動している団体です。公式ホームページでは、日本調査業協会について、次のような紹介文があります。
以下引用
一般社団法人日本調査業協会は、昭和63年業界4団体が統合し、警察庁の許可を受けて「公益社団法人日本調査業協会」を継受した協会です。
社団法人法改正に伴い、特例民法法人を経て、平成26年4月、「一般社団法人日本調査業協会」として組織変更した国内で唯一の内閣総理大臣認可の全国組織です。
参照: 一般社団法人日本調査業協会
日本調査業協会に加入している探偵事務所や興信所は、団体の目的である消費者の安全と利益、業界の健全化に賛同しているため、クリーンな経営をしていると考えられます。公式ホームページには、都道府県別に正会員を検索できるページがあります。
探偵事務所・興信所の選び方のポイント6つ!悪徳探偵社に騙されないように
あなたが利用できる範囲で探偵事務所と興信所をピックアップしたら、いよいよどこに依頼するかを選びます。信頼できる探偵事務所、興信所はどれなのか、依頼する前に見分けて選択するのが最も重要です。
そこで、探偵事務所、興信所の選び方のポイントを解説します。納得いく調査をしてもらうためにも、依頼先は慎重に選びましょう。
広告やホームページに誇張した表現がないかチェックする
まずは、ピックアップした探偵事務所や興信所の広告、ホームページのチェックから始めましょう。素人にはわかりづらいですが、誇張した表現を掲げているケースもあります。
最もわかりやすいのが「成功率100%」という表記です。何を持って成功と定義するのか詳細がないのに、成功率100%を謳うのは明らかに誇張した表現になります。
また、相場を大きく下回る格安料金を、大々的に宣伝している場合も注意が必要です。調査の質が低いことが予想されますし、いざ依頼をすると、別の名目で料金を請求されるリスクも高くなります。
所在地をチェックする
残念ながら、探偵事務所や興信所の中には、消費者を騙して利益を得ようとする悪徳事務所も存在します。ひっかからないためには、あなたの足で所在地のチェックが必要です。広告やホームページに住所が掲載されていたら、本当にその場所に事務所があるのかを確かめましょう。
また、相談する場合、探偵事務所や興信所がどこを指定するのかにも注目すべきです。あなたの手間を省くためにと、近くの喫茶店等での面談を提案されたら要注意。あなたに事務所に来てほしくない理由があるかもしれません。いざ面談することになったら、信用できるかを判断するためにも、事務所で行うようにしましょう。
探偵業届出番号をチェックする
探偵事務所は「探偵業の業務の適正化に関する法律」に則って届け出を提出し、公安委員会に許可をもらわなければ開業できません。申請が通った事務所は、探偵業届出番号が交付されます。
興信所は「探偵業の業務の適正化に関する法律」には該当しませんが、調査に必要な聞き込みや張り込み、尾行などは、この法律によって「探偵事務所の定義」とされています。そのため、番号を取得していない興信所は調査業務に制限が出て、あなたが満足できる調査結果を得られないかもしれません。
信用できる探偵事務所や興信所を選ぶには、探偵業届出番号を取得しているかは、必須の確認事項です。
電話で問い合わせをして対応をチェックする
いくつか事務所をピックアップしたら、いよいよ電話で問い合わせをしてみましょう。ネット上で問い合わせ対応をしていても、電話がおすすめです。なぜならば、相手の声音などがわかり、しかもリアルタイムなので、対応が丁寧で常識的かどうかがわかりやすいからです。
電話の問い合わせでは、以下の点をチェックしましょう。
- 言葉遣いが丁寧かどうか
- 問い合わせの電話でしつこい営業をしてこないか
- 質問に対して明確な回答があるか
- あなたの不安を煽る発言はないか
- 不必要に個人情報を聞かれないか
電話したから面談しなければならないわけではありません。問い合わせをしたら、「検討させていただきます」と伝え、一度電話を切りましょう。面談の申し込みは、ピックアップした事務所への問い合わせが終わって、どこに頼むかを絞ってからで充分です。
調査内容と料金体系の説明が詳細かチェックする
電話での問い合わせ、もしくは面談では、どこまで調査可能かの内容と、料金体系について、あなたから突っ込んで質問しましょう。この時、詳細までわかりやすく説明してくれるかをチェックしてください。
特に、料金体系については、「実際に依頼した後、更に追加で料金がかかることはありますか?その場合、どのようなケースが想定されますか?」という質問は必須です。いざ本契約を結んだ後に、あれこれ理由をつけて料金を値上げされたら大変です。
もちろん、調査中に追加料金がかかるケースもありますが、プロの探偵事務所や興信所は経験豊富なので、想定できるケースをあなたにきちんと説明してくれます。あなたの質問に対して、「大丈夫ですよ」と適当な受け答えをする事務所には気を付けましょう。
契約書の記載内容についてチェックする
探偵事務所や興信所で契約に至るときは、「探偵業の業務の適正化に関する法律」によって、書面で契約を交わすことが定められています。契約書の記載内容にも、以下のように細かい規定があります。
以下引用
第八条 探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該依頼者に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。
一 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 第四条第三項の書面に記載されている事項
三 探偵業務を行うに当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)その他の法令を遵守するものであること。
四 第十条に規定する事項
五 提供することができる探偵業務の内容
六 探偵業務の委託に関する事項
七 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の概算額及び支払時期
八 契約の解除に関する事項
九 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する事項
これらは契約において、最低限記載されるべき事項です。探偵事務所や興信所と契約する際には、サインする前に必ず内容をしっかりチェックしましょう。
探偵事務所・興信所は契約前であれば自由に変えてもいい
多くの探偵事務所や興信所では、無料で業務内容の説明や相談、見積もりを行っています。もちろん、無料で時間を割いてもらったからといって、契約の義務は発生しません。探偵事務所や興信所は、契約前であれば依頼者に選択する権利があり、自由に変えても良いのです。
複数社から見積もりを取ることをおすすめ
探偵事務所や興信所の依頼先を選ぶときは、複数社から見積もりをとることをおすすめします。初めての利用だからこそ、合い見積もりをとった方が良い理由はいくつもあります。
- 料金制度の差と調査料の差がわかる
- 依頼主への対応の差がわかる
- 調査方法の特色がわかる
最低でも、3社以上の見積もりをとった方が良いでしょう。全くの素人でも、複数の探偵事務所や興信所に出向き、疑問点を質問するだけでも、調査についての知識を得られます。
手間と時間がとられますが、信頼できる事務所を探すのに、合い見積もりはとても効果的な方法です。
不明点は遠慮なくしっかり質問・確認しよう
探偵事務所や興信所を探すときに、「質問が多いと、相手に迷惑なのでは?」「嫌な依頼主だと思われたらどうしよう」という心配は無用です。良心的な事務所ならば、初めて利用する依頼主の不安な気持ちを理解し、わかりやすく説明して、安心して依頼できるように誠意のある対応をしてくれます。
むしろ、不明点をとことん質問するのは、信頼できる探偵事務所や興信所を探す必須条件です。わからないことがあれば、遠慮なくしっかり質問して、不明点はクリアに確認しましょう。