探偵事務所は差別や犯罪につながる調査は受けない

探偵事務所は探偵業務を行うにあたって探偵業法に沿って営業活動を行わなければなりません。営業所を開設するにあたっても都道府県公安委員会に届出をしなければ探偵事務所を開設できません。
つまり、探偵業法に定められていることに反した調査をした場合は罰則を与えられるようになっています。
できない調査、できる調査の範囲が定められているので、依頼者側も理解した上で探偵に相談しましょう。
探偵事務所ができない調査
探偵事務所では、ストーカーや差別につながる調査は受けることはできません。探偵業法で定められています。
以下、探偵業法の引用
(探偵業務の実施に関する規制) 第九条 探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。
引用元:探偵業の業務の適正化に関する法律
当てはまる依頼例としては、
- 結婚調査で部落出身か調べてほしい
- 別れた妻の居場所を探してほしい
- 好きな人の居場所を探してほしい
これらのような差別、ストーカー規制法につながる調査を引き受けることはありません。もし、隠して相談したとしても調査の段階で判明した場合は、調査を続けることはできません。
以下は、上記の探偵業法の「その他の違法な行為のために用いられることを知ったときは」の部分に該当する相談例と実際の探偵の回答です。
<相談>:アプリで知り合った女の子の居場所を探してもらえますか?
マッチングアプリで知り合った相手の居場所を探すことは、探偵事務所に依頼することはできません。プライバシーの観点から、相手の個人情報を特定して追跡することは法的に問題が生じる場合があります。探偵が行う調査は、合法的かつ倫理的な枠組みの中で行われる必要があるため、アプリでのやり取りに基づく居場所の追跡は避けるべきです。そのため、相手が連絡を絶った理由や背景に配慮し、最良の方法として相手に再度連絡を試みることをお勧めします。
個人情報になりますので、大前提としまして所在判明した場合、対象の方に所在を明かしても大丈夫かと確認を行い、大丈夫な場合のみ情報の開示となります。対象の方の情報量に関してですが、多ければ多いほうが見つかる可能性が高いですが、マッチングアプリで出会った方との事で、情報が正確のものであれば見つけれる可能性はあがりますが、情報が間違ったものであれば見つけれる可能性は低いです。フルネームやご実家、元住んでいた場所、生年月日、出身地、ご家族やご兄弟の情報、出身校や元勤務先など、なるべく多くの情報があった方が見つかりやすいです。ご実家や本住んでいた場所、元勤務先など、スタート地点があれば調査可能です。所要時間としては1~3ヶ月ほどです。
マッチングアプリでの異性の所在調査は非常に多くご相談を受けております。 異性であるのでストーカー規制法の対象に当てはまる恐れがありますので調査自体お受けすることができないことがあります。 探したい相手と結婚の約束をしていた(両親とも挨拶している、婚約中など)、お金などを貸している(借用書や返済のやりとりなどの証拠がある)などの理由があり相手に対して後々訴訟を検討しいるようであれば調査を受任し所在をお伝えすることが可能です。 まずはご相談ください。
探偵業務の範囲
探偵業法では探偵業務の範囲が定められています。
浮気調査や素行調査、人探し、証拠収集のための調査であれば対応範囲です。当事者間でのトラブルのための調査で、且つ、調査結果をトラブル解消のためにご自身で活用するだけであれば大体の調査は可能です。ただし、探偵事務所によって対応が異なります。
以下、探偵業法の引用
(定義) 第二条 この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。
引用元:探偵業の業務の適正化に関する法律
探偵業務で他の法律に係ることはできない
探偵業務の中に張り込みや尾行、聞き込みなどがあります。その業務を行う過程で、他の法律に触れることはしてはならないと明記されています。
例えば、不法侵入、器物損壊、プライバシー保護、電波法、などです。
分かりやすい例では、張り込みをする中で私有地に入るのは不法侵入にあたります。マンションの敷地についうっかり入ってしまっていたとしてもダメです。
探偵業務だからといって他の法律を無視してはならないということです。
他には、第三者を巻き込んだ調査をして、人の生活を脅かすような調査もダメです。
以下、探偵業法の引用
(探偵業務の実施に関する規制) 第六条 探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。
引用元:探偵業の業務の適正化に関する法律
以下は、上記の探偵業法の「人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないように」の部分に該当する相談例と実際の探偵の回答です。
<相談>:会社の同僚が明らかに浮気しているのですが、第三者でも依頼できますか?
本的に第三者の調査をお受けすることはできません。
会社経営者、または役員などからご相談を受け、自社に悪影響を及ぼす内容、または調査報告をもとに相手や関係者に対して訴訟を起こす予定であれば調査お受けできます。
ご自身で行動し、ある程度の結果を得たとして、その内容を会社に対して連絡するとプライバシーの侵害や嫌がらせとして逆にご相談者さまのお立場に悪影響を及ぼす恐れがありますのでご注意ください。
会社様から、風紀を乱しているという理由で依頼されることは出来ますが、第三者の個人様からのご依頼は探偵業法に触れる可能性がある為、弊社では調査が出来ません。
第三者からの調査依頼については慎重な判断が必要です。法律上、調査対象者のプライバシー保護が求められるため、依頼者が調査対象者との直接的な利害関係を持たない場合、調査の実施が難しい場合があります。
また、調査結果を第三者に伝える行為は、名誉毀損やプライバシー侵害に繋がるリスクがあるため、慎重に対応しなければなりません。同僚の行動にお悩みの場合は、まずはご相談いただき、具体的な状況をお聞かせいただければ、適切な対応策をご提案いたします。
まとめ
探偵事務所は法律によって業務の範囲を定められています。その中で調査を行っていくので、受けられない調査もあることをご理解ください。
他の法律を犯すような業務はできないことは当たり前ですが、差別や犯罪につながるような調査依頼も受けられません。
事前に調査の目的がこれらに該当しないか確認して探偵事務所に相談しましょう。