ストーカーに共通する特徴や性格とストーカー行為の判断ポイント
1番のストーカー対策は、ストーカーと出会わないこと、出会っても関わらないことといえます。しかし、実際には初対面の相手がストーカー気質をもっているかどうかを見極めるのは困難でしょう。
ただ、ストーカーにはいくつかの共通する特徴や性格があります。個人差はあるものの、ストーカーの特徴や性格を理解しておくことで、ストーカー気質の人を避けることも可能です。
そこで、ストーカーに共通する特徴や性格、ストーカー行為かどうかの判断ポイントをご紹介します。
ストーカー行為の心理は男女で異なる
男性と女性は感じ方や体のつくりが異なるように、ストーカー行為に至る心理も男女で異なります。
男性は支配欲が強い
ストーカー行為の加害者に多い性別は男性です。実際に、平成29年に警察庁が行ったストーカー加害者の性別の統計では、全体の82.7%が男性であることが分かっています。
男性の方がストーカー加害者になる可能性が高い理由の1つとして、女性よりも「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモンが多く分泌されていることがあげられます。
テストステロンは、支配欲や競争心を高めると考えられています。つまり、支配欲に輪をかけて1つのものに執着することで、ストーカー行為を繰り返してしまうのが、ストーカー行為をする男性にありがちな心理なのです。
女性は被害者意識が強い
一方、女性は男性に比べ、相手に依存しやすく被害者意識が強い傾向にあります。その裏には、自分への劣等感やコンプレックスの強さがあり、自分に自信をもてないことが大きく関わっていると考えられています。
そのため、女性のストーカーは相手の男性よりも、男性の恋人や奥さんなど女性をターゲットにすることも少なくありません。なぜなら、その男性が自分に振り向かないのは相手の女性のせいだと考えるからです。
このように、ストーカーでも男性と女性ではストーカーに至る心理は異なるということが分かります。
ストーカーに共通する8つの特徴や性格
ストーカーに共通する特徴や性格を具体的にご紹介します。
独占欲が強い
ストーカーに共通する特徴や性格としてあげられるのは、独占欲が強く嫉妬深い傾向にある人です。相手を必要以上に束縛する行為を繰り返し、思い通りに相手が動いてくれないと行動がエスカレートします。
たとえば、異性との交友関係を禁止したり、服装に口を出したりと、強制しようとして頑なにこちらの意見を受け入れてくれないのなら注意しましょう。
自己愛が強い
自己愛が強い人もストーカー気質があるといえます。自己愛は誰でももっているものですが、自己愛が強すぎると他者への思いやりや想像力がなくなるため、自分至上主義になりやすいのです。
たとえば、相手に酷い言葉で罵ったり、暴力的な行為を行ったりしても、その言動が相手を傷つける行為だと想像することができません。つまり、理性が働かない状態といっても良いでしょう。
コミュニケーションスキルが低い
コミュニケーションスキルが著しく低いと、自分の思いが相手に伝えられずにストーカー行為に突き進んでしまう可能性があります。一般的なコミュニケーションスキルがある人なら、相手との距離感や接し方が分かっているので、ストーカー行為にまで至りません。
しかし、コミュニケーションスキルが著しく低い人は、相手との距離感も接し方も分からないため、度を越した行為がストーカー行為につながってしまうのです。
真面目すぎる
真面目な人柄は、相手に誠実な印象を与えますが、真面目すぎる性格は自分の中にある基準がすべての人の基準だと考えるため、相手に自分の意見を押し付けてしまいがちです。
相手への執着心や関係性の深さによって、相手に求める言動はエスカレートし、ストーカー行為へとつながってしまう可能性があります。
恋愛経験が少ない
ストーカーに共通する特徴として、恋愛経験が少ない点があげられます。一般的には、年齢と共に恋愛経験を積んでいれば、異性にどのように接すればいいのかがある程度は予測することが可能です。
しかし、恋愛経験が少ないと、異性への接し方が分からないため、自分の頭の中で浮かんだ言動が唯一の正解のように突き進んでしまい、ストーカー行為につながる可能性があります。
思い込み・妄想癖がある
ストーカーに共通する特徴として、思い込みが激しい、妄想癖がある傾向が多いです。実際に、女性芸能人にストーカー行為をして逮捕された男性は、女性芸能人と自分が相思相愛だと思い込んでいたというニュースが過去にありました。
このように、過剰なまでの思い込みや妄想癖がある人には、何を言っても現実として受け入れてくれない可能性があるので注意しましょう。
電話・メールなどの連絡の頻度が多い
電話やメールなどの連絡を頻繁にするマメな人は、一見、恋愛に向いているように思えます。しかし、不在着信が1日に何十件もあったり、返信があるまでメールをし続けたり、異常なほど連絡をしてくる場合はストーカー気質が高いといえるでしょう。
連絡を頻繁にしてくるのは、相手への独占欲や支配欲、執着心の高さとも考えられます。常識の範疇を超える連絡をしてくるのであれば、ストーカー行為につながる可能性が高いと考えておきましょう。
ストーカー行為であることを認識していない
ストーカーは自己愛が強く、真面目すぎる、そして、妄想癖がある傾向が強いため、ストーカー行為であることを認識していません。まさか、自分の言動が相手を苦しませているとは微塵にも思っておらず、むしろ相手の幸せを祈ってのことだと思い違いをしている可能性があります。
そのため、ストーカーは自らの行為を無意識に正当化しており、何度も何度も行為を繰り返すのです。
ストーカーされているかの判断ポイント
たとえ、相手にストーカー気質があると分かっても、ストーカー行為かどうかの判断基準がなければ、自分がストーカーされているのか判断できません。
そこで、ご紹介したいのは警察庁が運営する情報発信ポータルサイトの「Cafe Mizen」です。こちらのサイトでは、ストーカー行為を以下の8つに分類しています。
- 1.つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、うろつき
- 2.監視していると告げる
- 3.面会や交際等の要求
- 4.著しく粗野又は乱暴な言動
- 5.無言電話、連続した電話・メール・SNSのメッセージ等
- 6.汚物などの送付
- 7.名誉を傷つける行為
- 8.性的しゅう恥心の侵害
このように、ストーカー行為といっても様々な種類があることが分かります。いずれにしても、一般的なコミュニケーションがとれる人の行為ではないことがお分かりいただけたことでしょう。
ただ、ストーカー行為をする人が必ずしも見知らぬ相手とは限りません。実際に、交際中や交際を断った相手、離婚相手がストーカーとなる可能性もあります。
ここで、ストーカーの危険性を判断するポイントをご紹介するので、以下の点に注意してストーカー対策に役立てましょう。
- 相手の言動に恐怖を感じることがある
- あなたの行動を把握していないと気が済まない
- 自分の思い通りにならないと怒る
- 人格を否定する乱暴な言葉や暴力をふるう
- 拒否しても電話やメールなど連絡がくる
- 連絡がとれないと周囲の人に連絡をしてくる
- 一方的に会いにくる・近づいてくる
- あなたを責める・脅す
ただのいたずらだと放置したり、一時的なことですぐに収まるだろうと軽く考えていたりすると、思わぬ被害を受ける可能性があります。上記で思い当たる行動があれば、一人で悩まずに友人や家族、探偵、警察など第三者に相談しましょう。
参考:警察庁「Cafe Mizen」
https://www.npa.go.jp/cafe-mizen/index.html