ストーカーによるリベンジポルノを防ぐには?

パソコンと携帯

リベンジポルノの被害が増えていて悩まされている人がたくさんいます。特に、ストーカー行為をしている人がリベンジポルノをするケースが多いです。元配偶者、元交際相手などが、何らかの理由で付き合っていた彼女、妻に対してリベンジポルノをします。

ストーカー行為の一種としてリベンジポルノを考えていいでしょう。行き過ぎた行為がストーカー、リベンジポルノへとつながっていきます。

それでは、ストーカーによるリベンジポルノを防ぐための方法について紹介しましょう。

リベンジポルノとは何か?

では、そもそもリベンジポルノとは何なのか、基本的なことを解説します。

元パートナーの性的な画像などを無断で公開すること

リベンジポルノとは、元配偶者や元交際相手などの性的画像や動画を無断でネット上などに公開することです。復讐ポルノと呼ばれることもあり、元パートナーに対する仕返しとして行われます。

最近は、スマートフォンなどで簡単に画像や動画を撮影できる時代となりました。そのため、パートナーとの性行為などの様子を撮影する人は増えています。しかし、撮影された画像や動画が、別れたあとで復讐に利用されることが多く問題視されています。

ストーカーによる犯行で知られるようになった

日本でリベンジポルノが広く知られるようになったのは、2013年に起きた三鷹ストーカー殺人事件が起きたからです。加害者が元恋人の女性にストーカー行為をして、最終的には殺害しました。そのあとで、被害者の性的な画像や動画をウェブサイトで拡散させたことが問題視されたのです。

それ以前にも日本ではリベンジポルノの被害は存在していたのですが、あまり周知されていませんでした。このことがきっかけとなって、日本でリベンジポルノの法制化が進められるようになり、2014年にリベンジポルノ防止法が制定されました。

リベンジポルノは世界中で被害が増えている

リベンジポルノの被害は日本だけではなく世界中で起きています。たとえば、アメリカでは2004年にニュージャージー州においてリベンジポルノを防ぐための法制化が行われていました。2013年にはカリフォルニア州においてリベンジポルノが非合法化されています。それまでは、リベンジポルノサイトというものがアメリカにあり、ビジネスとして成立していました。現在では、リベンジポルノサイトは非合法なものであるとして経営者が逮捕されて実刑を受けています。

デジタルタトゥーになりやすい

リベンジポルノの被害が怖い理由は、デジタルタトゥーになりやすいからです。デジタルタトゥーとは、ネット上に個人情報や画像などが拡散されると、完全に削除することが不可能なことをタトゥーにたとえた比喩表現です。

一度、ネット上で拡散してしまうと、不特定多数の人が画像や動画などを保存し複製します。削除したとしても、すでに複製されたものが再び拡散される可能性があるため、永遠にネット上に残り続けてしまいます。たとえば、日本ではTwitterでバイトテロなどと称される行為をした人が、個人情報や画像などを拡散されてしまう被害が生じて、デジタルタトゥーという表現が知られるようになりました。

どのような行為が多いのか?

リベンジポルノでは、さまざまな被害にあっている人がいます。具体的にどういった行為をされることが多いのかご紹介します。

画像や動画を公表すると脅される

リベンジポルノでは、いきなり性的な画像などを公表されるのではなく、画像などを利用して脅されるというケースが多いです。

たとえば、性的な画像を公表されたくなかったらよりを戻して欲しいと迫られることがあります。加害者が自分の要求を通すための、脅しとして性的な画像などを利用するのです。脅されたことで実際によりを戻したという人もいれば、相手の要求を拒否したことで性的な画像などを公表されてしまったというケースもあります。

画像や動画を送りつけられる

別れた配偶者や元恋人、あるいはストーカーから性的な画像や動画が送りつけられるというケースがあります。この場合、画像や動画は本人が了承して撮影されたものもあれば、盗撮されていたというケースもあるのが特徴です。

画像や動画を送りつけることで、被害者に恐怖を与えています。そこで、加害者が具体的な要求を伝えることもあれば、何もメッセージを送らずに恐怖心を与える目的で画像や動画を送り続けるといったケースもあります。公表されたくない性的な画像や動画を加害者が所有している事実がわかるため、被害者はとても不安になり、大きなストレスを感じるでしょう。

ブログや掲示板に画像や動画を掲載される

リベンジポルノでは、最終的に性的な画像や動画などがネット上のブログや掲示板に掲載されてしまうケースがあります。単に画像や動画を掲載するだけではなく、個人情報も一緒に記載されていることも多いです。自分でブログや掲示板などを開設して掲載するケースもあれば、無差別にいろいろなブログや掲示板に貼りつけるというパターンもあります。あるいは、SNS上で画像や動画を大勢の人の目に触れるような形で公表することもあります。

お金を要求される

性的な画像や動画を所有していることを被害者に伝えて、お金を要求するケースがあります。実際に数十万円というお金を要求して支払ってしまったという人もいるのです。ただし、お金を支払ったとしても、加害者が画像や動画を削除してくれるとは限りません。むしろ、一度お金を渡したことで、加害者が味をしめて再び金銭を要求してくるケースもあります。

リベンジポルノの被害の傾向について

リベンジポルノに関してはさまざまな統計データがあります。被害にはどのような傾向がみられるのかをご説明します。

若い女性の被害が多い

リベンジポルノの被害にあっている人はほとんどが女性です。警視庁の発表するデータによると、被害者の9割以上が女性という結果が出ています。

その中でも、年齢別の被害者の傾向をみると、若い世代の被害が多いです。リベンジポルノ被害者の半分以上が10代や20代の女性であるというデータもあります。この年代はスマートフォンを日常的に利用していて、SNSで画像や動画のやり取りをしているケースが多いです。そのため、リベンジポルノの被害にあいやすいといえます。

加害者のほとんどは男性

リベンジポルノの加害者はほとんどが男性です。年代別だと、やはり若い世代のほうが多いのですが、30代や40代の男性が加害者であるケースも少なくありません。被害者と比較すると加害者のほうがより広い世代にわたって存在している傾向にあります。

加害者の大半は元交際相手

リベンジポルノの加害者は、被害者の元交際相手や元配偶者であるケースが多いです。被害者と加害者が交際相手の関係だったというケースは全体の7割ほどあります。ただし、友人や知人が加害者となってリベンジポルノをすることもあります。なかには、ネットのみの関係でリベンジポルノが起きることもあります。

たとえば、最近ではSNSで面識のない人と交流することがあり、実際に会ったことがない人と画像や動画のやり取りをすることも増えています。そこで、ネットのみの関係しかない人からリベンジポルノの被害を受けてしまうことがあるのです。

男性が被害を受けるケースもある

一般的にはリベンジポルノといえば、統計的なデータからも女性が圧倒的に被害にあっていますが、実際には男性がリベンジポルノの被害を受けてしまうケースもあるため注意しましょう。

男性が被害を受けるケースは逆リベンジポルノと呼ばれることもあります。女性が男性に性的な画像などを送るだけではく、逆に男性であっても、付き合っている女性に対して自らの性的な画像や動画などを送るケースがあります。そのデータを使われて男性もリベンジポルノの被害にあっているケースも中には存在します。

リベンジポルノの法的な扱い

日本ではリベンジポルノに対して法的な規制が進められています。日本におけるリベンジポルノの法的な扱いについてご紹介します。

リベンジポルノ防止法がある

日本で2014年にリベンジポルノ防止法が制定されました。「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」が正式名称です。この法律によって、リベンジポルノの行為を処罰することが可能になりました。実際に2015年にリベンジポルノ防止法による初めての逮捕者が出ています。それ以来、法律によって多くの逮捕者が出て有罪判決を受けています。

実際に性的な画像や動画を公表したものは、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。また、公表させる目的で画像や動画を提供したものを、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処すことも可能です。

刑法や特別法に違反する

そもそも、リベンジポルノの行為は、リベンジポルノ防止法以外の刑法や特別法に違反しているケースが多いです。たとえば、性的な画像を脅しの道具に使用した場合は、脅迫罪に該当します。相手に金銭を要求するような行為は強要罪とみなされる可能性もあるでしょう。実際に性的な画像や動画を公表した場合は、名誉毀損罪に該当します。また、わいせつ物公然陳列剤に該当する可能性もあるでしょう。リベンジポルノの被害者が18歳未満の場合は、児童ポルノ公然陳列罪で罰せられることもあります。

場合によっては民事責任も生じる

リベンジポルノによって精神的なダメージを受けたならば、弁護士に相談すれば、民事責任を追求して慰謝料を請求できる可能性があります。場合によっては、慰謝料の額が数百万円に達することもあります。

逮捕者や有罪判決は増えている

リベンジポルノの被害は周知されるようになりました。法制定が進んでいて、被害者は泣き寝入りせずに、警察などに相談するケースが増えました。その結果、実際にリベンジポルノの加害者が逮捕されて有罪判決を受けるケースも増加しています。今後はリベンジポルノの加害者が摘発されるケースはさらに増えるでしょう。

リベンジポルノの対処法

実際にリベンジポルノの被害にあったときには、どのように対処するべきなのでしょうか。具体的な対処法についてご紹介します。

警察に相談する

リベンジポルノは法律によって処罰を受ける犯罪のため、警察に相談をすればしっかりと対応してくれます。警察であれば、具体的に何をするべきなのかアドバイスをくれるでしょう。また、加害者を逮捕するために全力を尽くしてくれます。ただし、警察に相談する場合には、リベンジポルノの被害にあったことを示すための証拠を用意しなければいけません。たとえば、加害者からのメールやメッセージなどです。できれば、画像が公開されるまえに相談しましょう。脅迫などをされた段階で相談しておけば、被害を未然に防げるかもしれません。

掲載されているサイトに削除要請をする

もし、自分の性的画像や動画がサイトに掲載された場合は、管理者に削除要請を出しましょう。そうすれば、速やかに削除してくれる可能性があります。ただし、サイトがどのような対応を取るのかは、ケースバイケースです。まともに取り合ってくれないことも多いです。その場合は、警察などに相談をすると、警察のほうでサイトに削除依頼などの対応を迫ってくれるため、話がスムーズに進みます。

弁護士に相談する

仮にリベンジポルノで被害を受けた場合には、精神的なダメージを強く受けたことについて慰謝料を請求することが可能です。その場合には、弁護士に相談して対応してもらいましょう。また、画像などが公開されるまえであれば、弁護士に依頼して加害者に対して内容証明郵便によって画像などの公開をやめるように通知することもできます。画像などの削除依頼についても弁護士は対応することが可能です。

エゴサーチをする

リベンジポルノの被害を自分が受けているかもしれないと不安になっている人がいます。リベンジポルノは、本人の知らないところで行われていることがあるからです。不安であれば、エゴサーチをしてみましょう。自分の本名などで検索して、リベンジポルノの被害を受けていたことがわかるというケースがあるからです。早めに気づくことができれば、拡散を食い止めることができます。

証拠を残す

リベンジポルノの被害を受けたときには、きちんと証拠を保全することが大切です。加害者からのメッセージなどは、見るのも嫌だという人が多いでしょうが、削除してはいけません。証拠を残しておくことで、警察への相談がスムーズに進み、慰謝料請求の際にも役立ちます。

リベンジポルノの相談窓口

リベンジポルノの被害を受けても慌ててはいけません。被害者が安心して相談できる窓口が存在します。リベンジポルノで相談したいときに頼りになる窓口をご紹介します。

サイバー犯罪相談窓口

各都道府県に設置されているサイバー犯罪を専門とする相談窓口です。リベンジポルノだけではなく、インターネットに関する幅広い犯罪や悩みに対応しています。サイバー犯罪に熟知した職員が担当するため、相談すればスムーズに対処してくれるでしょう。

性犯罪被害110番

警察庁は性犯罪の被害を受けた人が気軽に相談できる窓口として「性犯罪被害110番」を設置しています。性犯罪被害相談電話全国共通番号として「#8103(ハートさん)」という短縮ダイヤル番号を導入しており、ダイヤルすれば発信者の地域を管轄する性犯罪被害の相談窓口につながるという仕組みです。都道府県ごとに名称が異なっていて、性犯罪被害110番以外にも、「性犯罪相談電話」や「性犯罪被害ダイヤルサポート110」などと呼ばれている地域もあります。

セーファーインターネット協会

一般社団法人であるセーファーインターネット協会では、より良いインターネット社会を実現するための活動をしています。リベンジポルノ被害者からの相談も受けつけているため、もしものときには頼りになるでしょう。

また、セーファーインターネット協会は、「セーフライン」を運営しています。「セーフライン」に相談すると、被害者の代わりに無料でプロバイダに対して画像や動画の削除依頼の申請を行います。たとえば、海外のサイトであっても対応することは可能です。当然ながら、通報した内容の秘密はしっかりと守ってくれます。

人権擁護機関

法務省は人権擁護機関を設置していて、人権相談を受けつけています。リベンジポルノについても扱っているため、安心して相談できる機関です。「みんなの人権110番」と「女性の人権ホットライン」を用意しています。さらに、ネット上にも相談窓口を設けているため、相談しやすいです。

まとめ

リベンジポルノの被害を受けた場合、とても不安になります。誰にも相談できずに一人で悩んでいる人も多いです。そんなときに相談できる機関や窓口はたくさんあります。また、リベンジポルノは法律によって厳しく取り締まられているため、加害者を逮捕することも不可能ではありません。リベンジポルノで悩んでいる人は、上記で紹介した窓口に気軽に相談しましょう。

ストーカー対策と調査の料金・費用相場

ストーカー対策と調査の1日あたりの相場:

約12.4万円

ストーカー対策と調査の料金・費用の割合

10万円未満 --件 (--%)
10万円~30万円未満 --件 (--%)
30万円~50万円未満 17件 (12.7%)
50万円~70万円未満 39件 (29.1%)
70万円以上 78件 (58.2%)