ストーカーに関する相談窓口や支援制度について

ストーカーの被害を受けると不安になります。日常も不安でいっぱいになるでしょう。

周りの人に相談しても解決の糸口も見つけられないまま時が過ぎてしまい、深刻化してしまうかもしれません。ましてや、自分一人で解決することは非常に難しいものです。

そこで、ストーカーの被害を受けたときのために役立つ相談窓口や支援制度についてご紹介します。ストーカーに悩まされたときの参考にしてください。

相談窓口や支援制度を利用するべき理由

自力での解決には限界がある

ストーカーの被害を受けた人は、まずは自分だけの力で解決しようとします。しかし、自力で解決することはなかなか難しく、やれることには限界があります。ストーカーの犯人がわかっていても、直接拒否するには勇気が必要ですし、拒否する程度でしょう。犯人の素性がわからないのであれば、なおさら身動きが取れません。

そこで、他人の力を借りて、現状を打開することができます。そのために公的な相談窓口や支援制度が存在しています。専門家に相談することができて、さまざまなアドバイスを受けられるでしょう。とても頼りになる存在です。

間違えた対処をする可能性がある

ストーカー問題を自力で解決してはいけない理由に、対処の仕方を間違える可能性もあるからです。誤った対処の仕方をすると、ストーカーを刺激する可能性があって、被害が深刻になるかもしれません。実際にストーカーに刺されてしまったというケースもあります。大きな被害を防ぐためには、ストーカーの被害が軽度な段階で適切に行動することが大切です。そのためには専門家の指示を受ける必要があります。相談窓口や支援制度を利用することで、正しい対処ができるようになるでしょう。

何か起きる前に相談すれば早めに解決できる

ストーカーはいきなり大きな行動に出てくることは少ないです。最初は単につきまとわられる等の軽いストーキングの被害を受けて、その後、徐々に悪化していきます。最終的には暴力を振るわれるようなケースもあって放置しておくと非常に危険です。

そこで、何か起きてしまう前に対処しておくことが大切です。専門家であれば、ストーカーの被害を未然に食い止めるための方法を教えてくれます。早めに相談することで、ストーカーの被害をすぐに解決できるでしょう。

精神的に楽になる

ストーカーの問題は、他人になかなか相談しにくいことです。ひょっとしたら、自意識過剰だと思われるかもしれないと考える人もいるでしょう。そのため、ストーカーの問題をひとりで抱えこんでしまうケースが多いです。

そこで、相談窓口や支援制度を利用して、他人に助けを求めると不安が解消されます。悩みを他人に打ち明けるだけでも、気分がとても楽になり、安心できるのです。たとえ、すぐにはストーカーの問題を解決できなかったとしても、相談をするだけで冷静になることができます。悩んでいる人は、ぜひとも相談窓口や支援制度の利用を検討しましょう。

相談窓口をご紹介

ストーカーの被害にあったときに頼りになる公的窓口はたくさんあります。どういった窓口が存在するのかご紹介します。

警察の相談窓口

ストーカーの被害を受けた人が相談する場所として警察の窓口は一般的です。多くの人が、まずは警察に相談しようと考えるでしょう。警察ではストーカー被害者に対して真剣に対処してくれます。相談のときには、法律にもとづいて警察がどのような対応をとれるのか資料を示しながら説明してくれます。そして、被害防止のための具体的な援助を行います。もちろん、すべての要求に応えてくれるとは限りませんが、できる限りの対応をしてくれるでしょう。

婦人相談所

婦人相談所は公的機関で、女性の抱えるさまざまな問題を解決するための専門的な支援を行っています。たとえば、DVの被害で悩む女性を支援する機能も担っている施設です。また、ストーカー被害に関する相談にもしっかりと応じてくれます。ただし、基本的に女性からの相談にしか対応できない点には注意しましょう。日本の各都道府県に設置されていて、どんな地域に住んでいる人でも利用できる施設です。

男女共同参画センター

都道府県や市町村などが自主的に設置している総合施設です。女性を支援する活動を行っていて、情報提供や相談、研究などを行っています。ストーカーに関する悩みにも対応してくれるでしょう。ただし、地方公共団体によって名称が異なっています。なかには、男性の悩み相談を受けつけているところもあるため、調べてみましょう。無料で相談することができ、プライバシーはしっかりと守ってくれます。相談だけではなく、心理カウンセラーによるカウンセリングも実施しているのが特徴です。ストーカー問題で不安になっている人は利用するとよいでしょう。弁護士相談もできて、女性のスタッフが対応します。

地方公共団体の相談窓口

都道府県や政令指定都市、市町村には、犯罪被害者のための総合的な窓口が設置されています。そちらに相談することで、情報提供を受けたり、関係部局や関係機関との橋渡しをしてもらったりすることが可能です。全国の市区町村のうちほぼすべてに設置されています。ストーカー問題でどこに相談して対処してもらえばいいのか悩んだときには、問い合わせてみましょう。それぞれのケースで適した機関や団体を紹介してもらえます。

精神保健福祉センター

各都道府県に設置されていて、精神障害者のサポートをするための機関です。精神医療センターという名称のところもあります。ストーカーによって精神的におかしくなってしまった人が相談することでサポートを受けられるでしょう。たとえば、ストーカー被害によって、まともに働くことができなくなった人という人もいます。精神医療に関する相談も受けつけているため、精神科を紹介してもらい、診断や治療を受けることも可能です。加害者に関する相談をすることもできます。たとえば、家族がストーカー加害者になってしまい、どうすればやめてもらえるのかアドバイスを受けたいときに相談するとよいでしょう。

電話で相談できる窓口

実際に窓口で対面でストーカー被害について相談するのは難しいという人がいるかもしれません。そんな人のために電話のみで相談に対応してくれる窓口をご紹介します。

女性の人権ホットライン

法務局は女性が気軽に相談できる電話窓口として「女性の人権ホットライン」を用意しています。こちらは、女性の人権問題について総合的に扱っているのが特徴です。ストーカーだけではなく、職場でのセクハラやパートナーからの暴力、いじめなどの問題にも対応しています。女性の人権問題を専門的に取り扱うことができる法務局の職員、あるいは人権擁護委員が相談に応じてくれるため、安心して話を聞いてもらえるでしょう。人権擁護委員とは法務局と協力して人権侵害から被害者を守るための活動をしている人たちのことです。

女性の人権ホットラインに電話をすると、それぞれ最寄りの法務局や地方法務局につながります。相談は無料で行うことができ、秘密は厳守されるため安心しましょう。IP電話からの接続には対応していないため注意してください。

また、女性の人権ホットラインでは、インターネット上での人権相談にも対応しています。相談フォームに氏名や住所、相談内容などを記載して送信すれば、後日、メールや電話、あるいは面談による回答を受けられるのです。ストーカーによる被害に関する相談も受けつけています。

被害者ホットライン

被害者ホットラインは検察庁に被害の相談や問い合わせができる専用電話のことです。検察庁では、全国各地に被害者支援員を配置しています。そのため、こちらに電話をすれば、最寄りの検察庁の支援員が迅速に対応してくれるでしょう。犯罪被害全般に対応しているのが特徴です。そのため、こちらにストーカーに関する相談をすることもできます。

法テラス

法テラスとは、法的トラブルに関して相談できる支援センターのことです。犯罪被害者支援ダイヤルを用意していて、そちらに電話をかければ、ストーカー被害の件について相談できます。たとえば、ストーカーをやめさせるために具体的に何ができるのか詳しく教えてくれるでしょう。刑事手続の流れについて教わったり、各種支援制度の紹介を受けたりすることもできます。ストーカー問題に詳しくて理解のある弁護士の紹介を受けることも可能です。たとえば、ストーカーを訴えたいという相談にも応じてくれます。法律に基づいた回答をしてくれるのが特徴です。

被害者を支援する施設・制度

ストーカーの被害者を助けるためのさまざまな支援制度や施設が存在しています。どういった制度があり、どんな施設を利用できるのかご紹介します。

民間シェルター

民間シェルターとは、民間団体により運営されていて、主に暴力を受けている被害者が一時的に避難するための場所です。たとえば、配偶者から暴力を受けている人が逃げられる施設として機能しています。被害者の一時保護が主な目的ですが、それだけではなく相談に対応したり、被害者が自立するためのサポートをしたりするなど幅広い援助をしているのが特徴です。民間シェルターは全国で100以上存在しているのですが、所在地は非公開となっています。これは、被害者の安全確保のためであり、加害者に居場所を知られることがないため、安心して避難できるでしょう。

基本的に民間シェルターはDVの被害を受けた人が利用する施設です。DVからストーカー行為に発展するケースは珍しくないため、ストーカー被害者が利用するケースもあります。たとえば、DVされて離婚した元配偶者がつきまとってくるため逃げたいときに活用できるでしょう。また、ストーカーから暴力を振るわれそうになっている場合、帰宅すると危険であると判断されれば、DV以外のケースでも民間シェルターを利用できるケースがあります。

婦人保護施設

こちらは、もともとは売春をする女子を保護するための施設でした。現在では、それ以外にもさまざまな理由から社会生活を営むことが困難な状況の女性を保護するための施設となっています。DVで悩まされている被害者の保護も実施しているのが特徴です。利用するためには婦人相談所に相談する必要があります。状況によってはストーカー被害者を受け入れてくれることもあるため、覚えておきましょう。

配偶者暴力相談支援センター

DVの被害を受けている人の相談や支援を行っている施設です。被害者が自立した生活を送れるようにさまざまなサポートをしています。また、被害者の保護も実施しているため、DVによるストーカー被害であれば、利用できるでしょう。こちらは、DV専門の窓口のため、それ以外のストーカー被害には対応してくれません。配偶者や元配偶者によるDVやDVから発展したストーカー被害で悩んでいる人が利用しましょう。

自分の情報を守れる制度

ストーカーが自分の個人情報を入手するかもしれないと悩んでいる人は多いです。そこで、活用できる制度はたくさんあります。たとえば、住民基本台帳に関する支援措置として、住民票の写しなどの交付請求を制限することが可能です。これによって、本人以外が住民票の写しなどの交付を受けられないようにできます。戸籍の手続や選挙人名簿、登録事項等証明書の交付請求、不動産登記手続などについても、同様の支援措置が存在しているため、不安な人は利用しましょう。

行方不明者届の不受理の措置もあります。ストーカーが被害者の行方不明届を出すというケースがあるからです。行方不明届を出して受理されると警察が捜索を始めます。行方不明者を見つけると、届け出をした人に情報が提供されるため、ストーカーに居場所を知られる可能性があるのです。あらかじめ、被害者が行方不明届の不受理を申出することで、ストーカーによる届出を受理させなくすることができます。

そのほかに頼れるところ

ストーカーの被害に悩んでいるときに利用できる場所はたくさんあります。公的機関以外にも頼れる場所をご紹介します。

NPO法人

NPO法人のなかにはストーカー被害者を支援する目的で活動しているところがあります。公的機関では対処できないようなケースにも対応してくれる可能性があるのがメリットです。電話やWebから無料で悩み相談ができたり、直接会って話を聞いてもらったりすることができます。シェルターの確保や加害者の身辺調査、救済活動、セミナー活動などに取り組んでいるNPO法人もあり、頼りになるでしょう。

探偵事務所

探偵事務所や興信所のなかには、ストーカー相談を受けつけているところが多いです。ストーカーの加害者の特定や証拠収集を依頼したり、ストーカー対策に関するアドバイスを受けたりすることができます。何となくストーカーされている気がする程度では、警察は動いてくれない可能性が高いです。そんな状況でも探偵事務所であれば、調査などに応じてくれるでしょう。ただし、料金がかかってしまうのがデメリットです。

警備会社

自宅周辺をストーカーがうろついていて不安な人は警備会社に相談するとよいでしょう。たとえば、防犯カメラや防犯センサーなどの設置を頼めます。何かあったときに警備会社にすぐ駆けつけてもらうことも可能です。ストーカーからの被害を守るためのサービスを用意している警備会社はたくさんあります。

弁護士事務所

ストーカー加害者を特定できた場合は、弁護士に頼ってストーカー行為をやめさせるという方法があります。ストーカーに対して法的措置を取りたいならば、まずは弁護士に相談するとよいでしょう。警察がなかなか動いてくれないケースでも、弁護士に依頼することで、警察に動いてもらいやすくなります。ストーカーに対して慰謝料請求をしたいときにも、弁護士はとても頼りになります。

まとめ

近年、日本ではストーカーの被害者がたくさんいることが問題視されていて、さまざまな相談窓口や支援制度が生まれました。ストーカーの被害にあっていると不安になってしまいます。そんなときには、気軽に相談窓口や支援制度を頼りましょう。

ストーカー対策と調査の料金・費用相場

ストーカー対策と調査の1日あたりの相場:

約12.4万円

ストーカー対策と調査の料金・費用の割合

10万円未満 --件 (--%)
10万円~30万円未満 --件 (--%)
30万円~50万円未満 17件 (12.7%)
50万円~70万円未満 39件 (29.1%)
70万円以上 78件 (58.2%)