熟年離婚の知られざる「その後」と後悔しないための4つのポイント

熟年離婚カップル

熟年離婚。

歳を重ねた後に行う離婚のことで、年齢に対する厳密な定義はないものの、およそ「20年以上連れ添った夫婦」の離婚が熟年離婚に該当するといわています。

離婚の原因や離婚の手順などは、一般的な離婚と変わりはありません。しかし、夫婦ともに歳を重ねている分、離婚後の生活が特徴的なものになるのは確かです。

新生活が始まってから「こんなことなら離婚しなければ良かった」と後悔しないためには、離婚後に待っている「その後」の生活を知るのが一番。

もし、熟年離婚を検討しているなら、少し立ち止まって、この記事を参考に本当に離婚して良いのかじっくり考えてみてください。

熟年離婚の「その後」

実際に熟年離婚を経験した方は、離婚後にどのような生活を送っているのでしょうか。

「離婚してよかった」という体験談から「離婚しなければよかった」という現実まで、幅広くご紹介していきます。

体を壊して一人では生活できなくなった

20年連れ添った夫婦。年齢は関係ないとお伝えしましたが、20年間の結婚生活を送った後の離婚だと、夫婦共に50代くらいにはなっているのではないでしょうか。

年齢がすすむにつれて、避けては通れないのが体の不調。

更年期障害から節々の痛み、疲れやすさなど、50代男女はどうしても若いころのように体が動かせなくなります。思わぬ病気を発症してしまうこともあるでしょう。

結婚生活を続けていれば、互いの不調は互いのサポートで補い合えたものの、離婚して一人の生活になるとサポートもフォローもなくなります。

どんなに体の調子が悪くても、歩くたびに痛みが走っても、病気を抱えることになっても、一人です。

「体を壊すことがわかっていたら離婚なんてしなかったのに」と嘆いても、後の祭りです。様々な不調がついてまわる50代の時期に離婚をするなら、実家に戻ったり、病院の近くのアパートを探すなど、いつでもサポートが得られる体制を整えておくことをおすすめします。

話し相手がおらず孤独

離婚をして一人きりの生活が始まったときに、孤独感を強く感じる方もいます。

帰宅しても「ただいま」を言える相手がいない。「おかえり」の声も、夕食のいい香りも迎えてくれない。一人きりになって初めて、「些細な喧嘩でも、喧嘩ができる相手がいただけ良かった」と後悔をすることもあるようです。

金銭面が苦しくなった

結婚生活を抜ける以上、どうしても避けては通れないのが金銭面の問題です。

長らく専業主婦だった女性は特に、50代という年齢が壁となり、再就職先を探すだけでも困難でしょう。

また、離婚により遠方に引っ越す男性は、今の職場に通うことができなくなるので、引っ越し先で新しい仕事を探す必要も出てきます。

新生活が始まって間もなく生活保護を受給することになった・・・ とならないように、離婚届に判を押す前に職を見つけておきましょう。

食生活が乱れた

特に男性に多いのですが、離婚をすることで食生活が乱れがちになります。

20年間ずっと、料理は妻の仕事としていることがほとんどですから、その妻がいなくなることで、コンビニ弁当やカップ麺など、栄養が偏るものばかりを摂取するようになります。

その結果、糖尿病を発症したり、骨密度が極端に低くなったり、肥満体型になったりと、健康面に大きな影響が出るように・・・。

夜遅くまで仕事をして、その後にスーパーに行って食材を買い、帰宅して料理を作る・・・なんて毎日はなかなかできませんから、外食やインスタントに頼るのはある意味で仕方がないことかもしれません。まして、料理をしたことがない男性なら尚更。

その点において女性は、主婦としての長年の経験から、「冷蔵庫にあるモノでササッと作る」ことができます。仕事を終えてクタクタでも、パッとヘルシーな料理を作ることもできるはず。

食事は、健康の基本です。料理に不慣れな方は、離婚後の食生活をどうするかをあらかじめ考えておきましょう。

一人の生活を謳歌

熟年離婚について悪い「その後」ばかりご紹介してきましたが、悪い結果のパターンばかりではありません。

結婚生活が本当に嫌で、一人になりたいと切に願ってきた方は、離婚後に一人の生活を謳歌することも。

何時に帰って来ても文句を言われず、稼いだお金を自分で好きなように使える・・・。結婚生活で窮屈な思いをしていた方ほど、自由を満喫するでしょう。

新しい恋人を作る

離婚が成立したら、恋人だって作れます。

結婚生活にあるうちは、心移りは浮気や不倫として慰謝料の対象でしたが、離婚後は独身と同じです。積極的に出会いの場に繰り出して新しいパートナーを見つければ、これからの人生の楽しみが広がります。

ただ、「ヤケ」で探さないように注意してください。離婚後の弱った心につけこむような異性に騙されないように、しっかりと見極めてください。

離婚成立後すぐにパートナー探しをするのではなく、新生活が落ち着いてきて、新しい環境に慣れて、自分のことを見つめ直せるような余裕ができたときに、ようやく恋活を始めるのが一番です。

配偶者の親族と縁が切れる

熟年離婚をするような年齢だと、配偶者の親族の年齢も相当に上がっているはず。

「施設に行くようなお金はないから、あなた介護をしてくれない?」と、介護の話を持ち掛けられた方も少なくないでしょう。しかし、離婚をすることで、配偶者の親族とあなたとの縁は切れます。

「今日から他人ですので」と、拒否しにくい申し出も簡単に断ることができるのは大きなメリットです。冷たい人間だと、ご自身を責めることはありません。誰だってまず先に、自分の生活があります。紙きれ1枚で繋がっているような関係の方に、無給のボランティアとして心身ともに捧げる必要はないのではないでしょうか。

熟年離婚を後悔しないための4つのポイント

どんなに念入りに準備をすすめても、離婚後に起こりうるあらゆる事態を想定しても、いざ新生活が始まってみなければ分からないことはたくさんあります。ですので、基本的な準備だけはあらかじめ整えておきましょう。

次にご紹介するのは、離婚前にチェックしておきたい項目です。熟年離婚を後悔しないよう、今からこのチェックリストに目を通しておきましょう。

貯金額は充分にあるか

生活は、お金ありきで成り立っています。

職を見つけたうえで離婚したとしても、会社の業績不振などでいつ給与が減らされるか、あるいは職を失うか分かりません。

仕事をしていても、ある程度の貯金は必要です。具体的にいくら貯めれば安心・・・というわけではないのですが、あればあるほど「万が一」の事態にも対応できるのは確かです。

ご自身の生活レベルや毎月の支出内訳などを考えながら、「〇〇円貯めるまで離婚は我慢」と目安を決めると良いかもしれません。

もし、専業主婦でそれほど貯金がなければ、「子どもも大きくなってきたしそろそろ私も働き始めようかしら」など理由をつけて、外に働きに出ましょう。もし長期で働くことに不安があるなら、連休だけ募集しているパートや、1日ごとの単発バイトに応募してみてください。

健康な体はキープできそうか

熟年離婚をする夫婦は、ほとんどが中高年世代。

疲れやすかったり体の衰えを感じることが増える時期なので、健康には充分に気を付けなければなりません。離婚して一人になると、どんなに体の調子が悪くても、一人ですべてをこなす必要が出てきます。

特に介護が必要になったら大変。仕事ができなくなれば、生活が成り立ちません。

健康な体はキープできそうかどうか。もし健康に自信があっても、突然の事故などで怪我を負うこともあるため、「今まで健康だったし健康診断の結果も良好だったから自分なら大丈夫」と断言はできません。

いざというときのために、実家の近くのアパートを借りるとか、休職中の手当てを出してくれる保険に加入しておくことをおすすめします。

パートナーの存在がなくなった以上、自分の生活を守れるのは自分だけ。様々な事態に対応できるように、事前にあらゆるリサーチを済ませておきましょう。

もともと単独行動が好きな性格か

熟年離婚の後、新しい生活で孤独を感じる方は多くいます。

離婚後しばらくは「せいせいした!」と開放感を満喫していても、1年2年と経つにつれ、孤独感がストレスになることもあります。

もともと単独行動が好きな方なら、一人きりの生活はそれほど苦にならないかもしれません。しかし誰かと一緒にいることで安心したり、複数で行動するのが好きな方は、一人になることでストレスを感じる生活になるかもしれません。

離婚の前に別居期間を設けるのも一つの方法

どんなに準備を万全にしても、いざ婚姻関係を解消して一人きりになると、不安を感じるものです。知らない場所に一人でポンと放り出されたような感覚が強く、念入りに積み上げてきたはずの「新生活イメージトレーニング」が何の意味も持たなくなるのです。

本当に離婚の選択をして後悔しないのかどうか。一人きりの新生活に馴染めるのかどうか。それを知るには、試しに離婚後と同じ生活をしてみるのが一番です。

離婚の前に別居期間を設ければ、「その後」の生活をシュミレーションできます。やっぱり一人きりの生活は向いていないと感じれば、家庭に戻れます。一人の生活のほうが心地よく感じれば、そのまま離婚の準備をすすめれば良いのです。

離婚は、人生において大きな節目。選択次第で、その後の人生が幸にも不幸にも傾きます。後悔しないために、ぜひ事前に別居でシミュレーションをしてみてください。

まとめ

熟年離婚は、若年層の離婚と違って特徴的です。

特に心配なのは、体の不調。今現在が健康でも、今後何があるか分からないからです。

この記事では、離婚後に起こりうるあらゆる事態に対して、事例を交えながらご紹介いたしました。熟年離婚に踏み切る前に、その選択を突き通して後悔する結果にならないかどうか、今一度立ち止まって考えてみてください。

浮気調査・不倫調査の料金・費用相場

※実際に探偵ちゃんで紹介した探偵事務所に依頼した人の事例を元に算出しています。

浮気調査・不倫調査の1日あたりの相場:

約13.4万円